ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
凛は甘い吐息を漏らし、頬に薄紅を刷いた。みるみる快楽に体を支配され、息が荒くなった。

凛は翼の首に腕を巻き付け、唇にキスをせがんだ。熱い吐息を溢す艶のある唇を、翼の唇に押し当てる。

肌という肌を擦り合わせ、互いの温度を伝え合いながら、とろけるように濡れるのを感じる。

翼は微笑を浮かべながら、凛の両腿を思い切り開かせた。頭を下へと移動する。

「あ・・・やっ」

凛の秘所は溶けだした蝋燭のようにとめどなく滴を垂らした。炎と化した男の舌に溶かされている心地だ。今夜一回目の絶頂が、凛の体を貫いた。

唇を離した翼は、顔をあげて凛と見つめ合った。漆黒の瞳がねっとりと淫靡な光をたたえている。

凛は迎え入れるように両手を開いた。

「翼さん、来て」

死神だろうが人間だろうが構わない。今の翼は凛にとってただ一人の、自分だけの男だった。

美しい男は光る玉の汗を飛び散らす。凛は男の強大な圧迫感がもたらす快感に背骨から崩れ落ちそうになりながら、男の肩に爪を立てた。
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