ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「そうやって凛はいっつも正しい」

跳ねのけるように夏美は振り向いて、直接凛の顔を見つめた。

「凛は私のこと、軽蔑してるんでしょ」
「どうして?」


突然の言葉に凛は二の句を継ぐことができない。軽蔑した覚えは、自分にはなかった。

「凛はいつも私を馬鹿にしてるの。今回も外れくじを掴ませておいて、何も言わずに面白がってたんでしょう。私は、本当に愛し合える人を一生懸命探しているだけなのに」

夏美の頬に涙が駆け下りた。
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