ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「ねえ凛、今夜飲まない?」
「ごめん、今日は総務の忘年会で」

凛が夏美の誘いを躊躇なく断ると、夏美はふんふんと頷いた。

「そっか。じゃ、またね」

化粧室に入るなり最初に見せた表情はなんだったのだろうと呆気にとられるほど夏美は楽し気な足取りで化粧室を出て行った。



仕事終わりの忘年会。
一次会が終わって店を出ると、すでに時刻は九時を回っていた。

マンションに戻りドアを開けると、リビングからは楽しそうな女の声が聞こえた。
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