ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
翼は手のひらで夏美の肌に触れたが、すぐに離した。

「鳥海拓斗はどうした」

「あの人は、私に嘘をついてたの。運命の人じゃなかった」

「凛から奪って自分のものになったとたんに、必要なくなった。そういうことだろ」

「奪う?私が?」

「そうだ。お前は凛に嫉妬して、凛の持っているものを奪いたいだけだ」

とたんに、夏美の唇の端がひきつった。

「なんで私が凛なんかに嫉妬しなきゃいけないの」
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