ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「夏美、お前は可哀想な人間だ。なぜなのか自己評価が低いせいで、凛を負かして、優位に立つことで自分のプライドを保とうとしている」

「そんなわけないでしょう。私に勝ちたくて必死なのは凛のほうじゃない?」

噛みつくように言い返す夏美にたいし、翼は首を左右に振った。


「凛が優しいのをいいことに、お前は彼女を巧妙な手段で彼女を陥れている。凛は、本当はお前と付き合って疲弊しきっているのに、それを見せまいとしている。その優しさにかこつけてマウントを取るどころか、彼女が手にしたものを奪って吸いつくしてしまおうとする。そんな寄生虫のような真似はやめたほうがいい」

「寄生虫・・・」

夏美はみるみる怒りの色を瞳にたたえ、翼の頬に向かって手を振り上げた。
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