ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした

もういちど、あの言葉を言え

翼が部屋のドアを開く音がした。

凛はソファから起き上がろうとするが、手足に力が入らない。したたか飲んでしまい酔いが回ってしまったようだった。

「おかえりなさい。もう夏美とどこかに行って、帰ってこないと思ってました」

凛が言うと、翼はソファに寝そべる凛の脇に座って顔を覗き込んだ。

「凛、酔ってるのか」

凛は首を横に振り、目の淵を赤くさせて潤んだ目で微笑んだ。

「酔ってるな」

翼は凛の紅く染まった頬を撫でた。

「あの女とどこかに行ったりはしない。俺は早く凛と二人になりたかった」
「どうして夏美を家に入れたんですか」
「先に帰って待つように凛から言われた、と言っていたから」
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