ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
凛の紅く染まる頬に触れ、死神は祈るように胸の内で叫んだ。どうか好きだと答えて欲しい。強く願うほどに、心臓が強く鼓動を打つ。

凛は見下ろしてくる漆黒の瞳をまっすぐに見つめてうなずき、死神の首を抱きすくめて耳元で囁いた。

「好き、大好き」

その言葉を合図に二人は服を脱がせ合い、一糸まとわぬ姿でソファの上で一つになった。

座って両足を大きく広げた凛は、体を突き上げてくる翼の肩に片足をひっかけ、もう片方の足は翼に掴まれるままにした。

凛は甘い歓喜の声を上げた。きつく抱き合い、ともに快楽の頂点へと上り詰めていく。二人は一つの生き物ようにしっかりと抱き合いながら絶頂へと駆け上った。

キスしながら、互いの体が凪ぐまで余韻を味わい合った。ベッドに移り、体内に一杯に広がった多幸感がこぼれ出ないように、まぶたを閉じてひたと抱き合ったまま眠りについた。
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