ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした

12月27日朝 左手に星が舞い降りた日

無防備にカーテンを開け放たれた寝室の窓から、四角く切り取られた白い光がベッドに降りている。

凛は瞼の裏を朝日に白く照らされ、うっすらと目を開いた。翼の胸板に右の頬をぴったり突けて眠っていた凛の視界に、翼の胸に置かれた自分の左手がぼんやりと浮かんだ。

寝ぼけていた凛はその手の甲の上に一粒の光を見つけて、星が落ちてきたのかなと思った。

「そんなわけないか」


言いながら重たげに頭を上げ、左手を引き寄せると、驚きに大きく目を見開いた。

薬指で大粒のダイヤモンドが、朝日を受けて輝いていた。瞬間、完全に目を覚ました凛は飛び起きた。
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