ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
ベッドの振動で目を開いた翼が、上半身を起こして凛を後ろから抱きしめた。

「おはよ、凛」
「翼さん、これ」

凛は大粒のダイヤから目が離せないまま、左手を窓から差し込む朝日に照らした。

「きれい」

わずかに角度を変えるだけでちらちらと音が鳴りそうな強い光を放つ石を、目を見張って眺めた。

「婚約指輪だ・・・本当は昨日の夜渡そうと思ってたのに、とんだ邪魔が入った」

翼は言うと、ベッドの下に跪いて凛の左手を取った。

寝起きだというのに、艶のある黒髪に朝日を浴びた死神は、自ら光を放つかのように美しかった。

「凛、俺と結婚しろ。俺たちの間を誰にも邪魔されたくない。夫婦になればお前と心置きなく二人きりで過ごせる」
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