不良男子はお人好しちゃんを振り向かせられない。
澪「触ってみる?」

蓮夜「な!?そ、そんなことするわけねぇだろ!!」

澪「あはは、冗談冗談」

蓮夜(クソ……いつでもコイツのペースになってやがる!!このままじゃだめだ!)


◇数分後

ダイニングテーブルに座った2人。


いただきますと手を合わせる。


パクパクと料理を食べ進める澪。


澪「オムライス美味しい!!お母さんのとおんなじぐらい!」

蓮夜「……そうかよ」

澪「……?ご機嫌斜めだね」

蓮夜「そうか?お前の勘違いじゃね」

澪「勘違いな訳ないよ。私人の感情読み取るの上手だからねぇ」


ドヤ顔を浮かべる。


蓮夜「あっそ」

澪「んー……どうしたらご機嫌になる?」

蓮夜「別に俺の機嫌なんてどうだっていいだろ」

澪「ううん、蓮くんのこと結構好きだし!」

蓮夜「は!?」

澪「あっ、もちろん弟としてね」

蓮夜「チッ……お前のそういうところ、嫌いだ」

澪「あはは、ひどーい」

蓮夜「本当余裕そうだな」

澪「そうかな」

蓮夜「ああ。なぁ、俺の機嫌直したいのか?」

澪「うん!」

蓮夜「じゃあ——」


十分後。


食事を終えて、リビングのソファに座っている2人。


蓮夜「澪」

澪「なぁに?」

蓮夜「来い」


両手をバッと広げた蓮夜。


澪「……ん?ぎゅってしてほしいの?」

蓮夜「ああそうだよ」
  (なんっだよその言い方!!可愛いなおい!)

澪「いいよ〜」


澪が近づいた瞬間、捕食するようにガバっと澪を抱きしめた蓮夜。

澪「ど、どうしたのっ……?」
 (れ、蓮夜くん意外と筋肉すごい……!!)

蓮夜「こうしたかっただけだ、悪いか」

澪「べ、別にいいけど……」

蓮夜「……」


澪をひょいっと持ち上げて、今度は膝に座らせる。

蓮夜が上目遣いするような形になり、澪の心臓が少し加速する中……。


蓮夜(やっべぇぇ!!俺の心臓が持たねぇ!!)

澪「……?ど、どうしたの?」

蓮夜「あ?な、なんでもねぇよ!もう寝る!!」

澪「そ、そっか、おやすみ」
(な、なんだったの?)


蓮夜から降りた澪は頭の上にはてなマークを浮かべながら、歯磨きをしに行ったのだった。
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