大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~

2 大嫌いな彼


 最悪な彼の元で、私の社長秘書としての仕事が始まった。


 大きな会社の社長とあって、桐生くんは毎日忙しそうだった。


 スケジュール管理も秘書の仕事の一つで、私がスケジュールをチェックしているのだけれど、他社との打ち合わせに会食、毎日のように夜まで予定がびっしりだった。


 本当に社長さんなんだな…。


 桐生くんの仕事ぶりを見て、そんな単純なことを思った。


 毎日毎日忙しそうではあるけれど、桐生くんは相変わらずなんでもそつなくこなす。


 スケジュールにずれが出ることは全くなく、滞りなく仕事を終わらせていく。


 生徒会の時も、ちゃんと仕事してたもんね…。


 桐生くんの仕事ぶりを間近で見ながら、さすがだな…なんて感心してしまって、私は慌てて頭を振った。


 いけないいけない。桐生くんのことは考えない。私はただ、ブルーホールディングスの桐生 蒼弥という新社長の秘書。友人なんかじゃないし、もう過去のことなんて絶対に思い出したくないんだから。


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