大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~

「桜川」


「はい…?」


「敬語じゃなくていいぞ」


「え?」


「今は仕事じゃないんだし、そもそも同級生だろ?社長だからって気を遣わなくてもいい」


「あー、うん…」


 気を遣って敬語を使っていた、というよりは、学生の頃みたいになりたくなくて敬語で一線を引いていた、というのが近いかもしれない。


 これ以上、プライベートで関わりたくもないし…。


「ワイン、好きなだけ飲んでいいからな」


「あ、うん…ありがとう…」


 私の気持ちなんて全く知らない桐生くんは、きっと久しぶりに会えた同級生で嬉しいのだろう。なんだか今日は終始楽しそうだった。


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