大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~
「うう…飲み過ぎたぁ……」
あれからまた料理やデザートをいただいたのだけれど、そのどれにも桐生くんの進めてくれたワインがぴったり合って、がぶがぶ飲んでしまった。
飲んでいる時はなにも思わなかったのに、いざ帰るぞ、となった今になって急に酔いが回ってきた。
「桜川、大丈夫か?」
桐生くんの肩を借りながら、私はなんとか答える。
「だいじょおーぶ、だいじょおぶ…、これくらいへいきれす…」
しっかり発音したいのに、なんだかうまく口が回ってくれない。それと急に眠くなってきた。
「もお、ねます…おやすみぃ……」
「え!?桜川!?」
そう呟いた後の記憶はない。
私はすやすやと眠りに落ちた。