大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~

 しかし、ある日。

 私はその噂が本当だったことを知ってしまった。



 その日の生徒会での活動を終えた私は、帰路に就こうと昇降口までやってきた。


 しかしそこでスマホを生徒会室に忘れてしまったことに気が付いた。


 当然生徒会室に戻る私。


 もうみんな帰ってしまったかな、と思いながら生徒会室に戻ると、中から声が聞こえた。


 よかった、まだ誰か残ってたんだ。


 扉に手を掛ける。


 しかし生徒会室から聞こえてきた女の子の声で、私はぴたりと動きを止めた。


「蒼弥…っ、だめっ…そんなとこ…っ」


 衣擦れのような音がして、女の子の荒い息遣いが聞こえる。


 私は中で何が起きているのか、きっと薄々気が付いていたのだと思う。


 けれどそれが信じられなくて、どうしてもこの目で確かめたくなってしまった。


 私は静かに生徒会室の扉を開ける。


 横に少しスライドさせると、生徒会室に二人の姿があった。


 見たことのない女の子と、桐生 蒼弥くん。


 女の子の衣服はとても乱れていて、その上に彼が覆い被さっている状態だった。


「え……」


 私にとってそれは、とても衝撃的なことだった。


 桐生くんが女遊びをしている。


 その噂は本当だったのだ。


 しかもこんな、生徒会室で。

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