大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~
「ビールぅ…もう一杯ぃ…」
「桜川!しっかりして!」
「へ?」
気付くと公園のベンチに座っていて、水のペットボトルを持った小林くんが、私を心配そうい見ていた。
「大丈夫?」
「うん…だいじょぶだいじょぶ…ちょっと楽しくて、飲みすぎちゃったぁ…」
「桜川、仕事、本当に大丈夫?同期で飲みに行った時も、こんな酔い方してなかっただろ。本当は仕事辛いんじゃないか?」
小林くんが心配そうな声色で尋ねてくる。
「仕事が辛いっていうかぁ、桐生くんがわけわかんなくてぇ」
「桐生くん?ああ、桐生社長のことか。なんで、くん付け…?」
「桐生くんは、私の高校の同級生なの…」
「え!そうだったのか」
「だから顔なじみの私を秘書にしたんだと思う~職権乱用だよねぇ」
「わけわかんないって…社長になにか理不尽な目に遭わされてるとか?」
ん~?と私は首を傾げる。
理不尽な目…理不尽な目に遭っているといえばそうなのかもしれない?
私のことを抱いたり、急に優しくしたり、甘く迫ってきたり。
桐生くんは何がしたいんだろう?
「桜川、俺で良かったら力になるけど」
「いやいや!小林くんに迷惑掛けるわけにはいかないよ。小林くんは、これからも私の癒し要因でいてね」
眠くなってきた私は、隣に座る小林くんの肩に頭を預ける。
小林くんの身体が強張るのを感じた。
「桜川が俺のことどう思ってるのか知らないけど…、俺だって男なんだけど…」
「うん~…知ってるよ~」
小林くんが急に私を抱き寄せた。
「えっ…」