大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~
桐生くんに連れて来られたのは会社ではなく、桐生くんの家らしかった。
私をベッドに押し倒すと、桐生くんはスーツを脱いで、ネクタイを緩めた。
「な、なにするんですか!仕事は!?」
「緊急の仕事なんかない」
だ、騙された…っ!
「あの男は誰だ?」
やけに威圧的な態度の桐生くんを、私はキッと睨む。
「同期の小林くんです」
「随分仲が良さそうだな」
「まぁ、そうですね。少なくとも桐生くんみたいに乱暴なことはしないし、小林くんの方がっ、むぐっ!」
話しの途中で桐生くんに噛みつかれるようなキスをされた。
息継ぎさせるつもりはないらしく、私の口内を味わっていく。
「き、桐生く…」
苦しい…。うまく呼吸ができない。脳が甘く痺れて、何も考えられなくなるっ…。
「あっ…はぁ、はぁ…」
ようやく解放されて、私は荒く息をつく。
「な、なにするの…」
「腹が立った」
「はい…?」
「俺の前では笑わないくせに、あいつの前ではへらへらしている美織に」
「そんなこと言われて、もっ!?」
またもや話の途中で口を塞がれる。
乱暴に唇を奪ってくるくせに、そのキスは優しくて甘い。