大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~
キスに意識を集中している間に、すっかりワイシャツのボタンが外されていて、プチっとブラが外れる感覚に、私はようやくはっとした。
桐生くんの手が、私のお腹を滑る。
ずっとキスされ続けているからか、うまく酸素が回らなくて、考えることも、抵抗することもままならない。
大きくて熱い手は、ゆっくりと私の膨らみに触れて、それからその先端をきゅっとつま弾いた。
「あっ…!」
キスの合間に、甘い吐息が盛れる。
桐生くんはそれを楽しむように繰り返した。
「や、ぁっ…!」
桐生くんのことなんか大嫌いなのに、どうしてこんなに気持ちよく感じちゃうんだろう…。
この人は誰にだって、同じようなことをしているのに…。
瞬間、生徒会室で見た光景が脳裏に蘇ってきた。
知らない女子生徒に覆い被さる桐生くんの姿。
それを見てしまった時の自分の感情も、何もかもが鮮明に蘇ってくる。
私は力を振り絞って、彼を突き飛ばした。
「やめて…っ!どうして、どうしてこんなことするの…っ」
「どうしてって、」
「桐生くんは高校の時からそうだった!他の女の子とえっちなことしたくせに、どうしてあの時私を抱いたの!?」
桐生くんは目を丸くして私を見ている。
「ショックだった…あの時、仲のいい友達だと思っていたのに…私も他の子と同じで遊ばれたんだって思うと、悲しかった…!」
悲しかった…?腹が立った、じゃなくて?
「桐生くんは、そんなことするような人じゃないと思ってたのに。女遊びをするような、最低な人だった!」
悪い男に初めてを奪われてしまった。
私はそんな最低な学生時代の記憶なんて、さっさと忘れてしまいたかったのに…!