大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~
「お先に失礼します」
定時から数分が経って、私は席を立った。
「ああ、今日もお疲れ」
桐生くんが私にそう声を掛ける。
その表情は、なんとなく晴れないもので、少し引っ掛かったけれど、私は小林くんとの待ち合わせに向かった。
「小林くん、お疲れ様」
「お疲れ」
私達は会社からほど近い公園にやってきた。
この前小林くんが私に告白してくれた公園だ。
同じようにベンチに腰を降ろして、私は小林くんに向き直った。
「あ、あの、小林くん!」
「うん?」
小林くんは静かに私の言葉を待ってくれている。
私は自分の考えをまとめながら、ゆっくりと口を開いた。