大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~

「お先に失礼します」


 定時から数分が経って、私は席を立った。


「ああ、今日もお疲れ」


 桐生くんが私にそう声を掛ける。


 その表情は、なんとなく晴れないもので、少し引っ掛かったけれど、私は小林くんとの待ち合わせに向かった。




「小林くん、お疲れ様」


「お疲れ」


 私達は会社からほど近い公園にやってきた。


 この前小林くんが私に告白してくれた公園だ。


 同じようにベンチに腰を降ろして、私は小林くんに向き直った。


「あ、あの、小林くん!」


「うん?」


 小林くんは静かに私の言葉を待ってくれている。


 私は自分の考えをまとめながら、ゆっくりと口を開いた。



< 40 / 43 >

この作品をシェア

pagetop