大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~
私達はその後、桐生くんの家へと向かった。
玄関を入ってすぐ、桐生くんは我慢ができないみたいに、私を抱きしめて激しいキスをした。
「んう…っ、く、苦しいよ…」
私が桐生くんの胸を叩くと、桐生くんは慌てて私から離れた。
「悪いけど今日は、もしかしたら止められないかもしれない」
桐生くんの獲物を捕らえたみたいな鋭い瞳に、私が写っている。
桐生くんの瞳に映る私は、嬉しそうな、物欲しそうな顔をしていた。
「うん…いいよ…」
私達はそのままなし崩しにベッドへと倒れ込んだ。
甘すぎるキスにとろけながら、「好き…好き」と言葉が漏れる。
想いが通じ合って、身体を重ねるのは初めてだ。
また初めてなことを、桐生くんに奪われるんだな、と思うとなんだかおかしくて私は笑ってしまった。
高校生の時の私へ。
あの時、あなたの初めてを奪った悪い男は、あなたの運命の人だったよ。
終わり