大嫌いなはずなのに。~私を弄んだ御曹司に溺愛されます~

「もしかして、…さっきの見てた…?」


 ドキッとしながらも、私は平静を装って答える。


「さ、さっきの?さっきってなに?なにも見てないよ…?」


 私のなにからそう思ったのか、桐生くんは呟いた。


「そうか。桜川に見られたのか…」


「え…?だから何も見てないって…」


 弁解しようとする私を、桐生くんは無視して、私を机の上に押し倒した。


「え……?」


 桐生くんの手が私の太腿の上を滑る。


 私は驚いて身体を震わせてしまう。


「な、なにするの…!」


「桜川もしたいんじゃないの?」


「え、な、なに言って…」


「だってこんなに身体が熱くなってる」


 そう言われて私の体温は、ますます上がった気がした。


 桐生くんの手が私の服の下に入ってきて、直に触れる。


 感じたことのない感触に、私の身体がびくっと反応する。


「や、やめ…て…」


 覆い被さる桐生くんに、私は必死に抵抗してみせるけれど、全然力が入らなくて、なんの反撃にもならなかった。


「桜川…かわいい…」


 何故だか強く拒めなくて、私はそのまま桐生くんに身を委ねてしまった。


< 5 / 43 >

この作品をシェア

pagetop