魔女のお菓子
シャロンはお菓子をポケットにしまうと、ソファから立ち上がる。


「もういいの?」


「また来ればいいだけの話だから。その代わりといったらなんだけど、ちょっと付き合って」



真紅の瞳が悪戯っぽく笑う。


「そんなの構わないけど……」



シャロンの真意が読めないまま、図書館を後にする。行き先を何度問いかけても「内緒」の一点張り。――こういうとこほんと嫌いだし。シャロンは楽しいんだろうけどさ。
 



心無しか楽しそうなシャロンを横目で睨んでも、笑顔で返されるだけ。



理不尽だ……!



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