透明なフォトブラフ

沙月 side

高校に入学してから数日が経過した。

クラス内でもグループで固まっている人たちが多くなった。

勇気を出して話しかけてみようとしてみるものの、なかなかうまくいかない。

結局、まだ誰とも仲良くなれないままだった。

入学式の日に唯一話しかけることができた宮沢さんは、どことなく人を寄せ付けない雰囲気があるのでもう一度声をかけるのは難しそうだ。

その時、派手なグループの子達が歩いてきた。

そのうちの一人が、私の机にぶつかり、プラスチック製のペンケースの蓋が開き、中身が散らばった。

「あ、ごめーん！」

散らばった物を拾おうともせず、そのまま通り過ぎた。