透明なフォトブラフ

壮馬 side

俺と日向は、やっと電車を降りることができた。

電車のトラブルで、三十分くらい停車してしまったのだ。

「今何時だ」

「十時。もう始まってる」

星野の出る長距離が始まるのは十一時。

走れば間に合うはずだ。

「急ぐぞ!」

俺は一眼レフのカメラを持って走った。

「なぁ、遅くなるって連絡した方がいいんじゃないか?」

そうだ。秋本連絡を…

俺はスマホを取り出して電話をかけようとした。
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