春待月の一夜のこと
「さて、まずは連絡先を交換しておこうか。と言っても俺は既に田中さんの連絡先を知っているから、俺のやつを教えるね。登録して。あっ、名前はもちろん“未来の旦那様”で。“夫”でも可だよ」
「ちょっと待て!話を勝手に進めるな。とりあえず、なんで私の連絡先を知ってるのよ。教えた覚えないんだけど!」
「昨日教えてくれましたけど?家の場所どこって訊いたら自分からスマホ出して、“ここ”ってアドレスと電話番号とメッセージアプリのIDを」
嘘だ!と声を大にして言ってやりたいが、悔しいことに記憶が全くない。
「とりあえずアプリでメッセージ送っておくから、登録しておいてね。やり方わからないならやってあげるけど?」
「わかるから!」
いやわかるけど、そういう問題ではない。
「そもそも私は、田辺くんと“これからもよろしく”なんてするつもりないし、する必要性もない!」
「いやいや、必要性はあるでしょ。俺、お年寄りになっても一緒に旅行に行くくらいの仲良し夫婦が理想だから」
「田辺くんの理想なんて聞いてませんけど!?」
「それじゃああとで、田中さんの理想も教えてね。これから二人でお互いの理想をすり合わせて、現実にして行こう」
「ちょっと待て!話を勝手に進めるな。とりあえず、なんで私の連絡先を知ってるのよ。教えた覚えないんだけど!」
「昨日教えてくれましたけど?家の場所どこって訊いたら自分からスマホ出して、“ここ”ってアドレスと電話番号とメッセージアプリのIDを」
嘘だ!と声を大にして言ってやりたいが、悔しいことに記憶が全くない。
「とりあえずアプリでメッセージ送っておくから、登録しておいてね。やり方わからないならやってあげるけど?」
「わかるから!」
いやわかるけど、そういう問題ではない。
「そもそも私は、田辺くんと“これからもよろしく”なんてするつもりないし、する必要性もない!」
「いやいや、必要性はあるでしょ。俺、お年寄りになっても一緒に旅行に行くくらいの仲良し夫婦が理想だから」
「田辺くんの理想なんて聞いてませんけど!?」
「それじゃああとで、田中さんの理想も教えてね。これから二人でお互いの理想をすり合わせて、現実にして行こう」