春待月の一夜のこと
「従姉がね、海外で式を挙げたんだって。旦那さんがアメリカの人だから、どっちの国で式を挙げるかみたいな話になって、間を取ってどっちの国でもないとこで挙げたって言ってたんだけど、えっとあれはどこって言ってたかな…………ああ、そうだバリ島だ!」
ほらこれ、とスマートフォンの画面を向けられて、岡嶋は少し島田の方に寄って表示された写真を見る。
純白のウェディングドレスとそれに合わせた白いタキシードを着込んだ男女が、青い空と海を背景に幸せそうに笑っている。
「どう?素敵でしょ。なんとこちらの旦那様、従姉より八つ年下なんだよ」
「八つ……」
「そう、八つ」
岡嶋の呟きに答えるように、島田が笑顔でその数字を繰り返す。
「でもほら、並んでてもちっとも違和感ないでしょ?むしろお似合いって言うか。あねさん女房だねなんて親戚の人達は言うんだけど、従姉にこっそり聞いた話だと、実は彼の方がずっと年上っぽくて、従姉は全然“あねさん”って感じじゃないんだって。むしろ彼の方が年上なんじゃないかと思うって言ってるくらい」
ほらこれ、とスマートフォンの画面を向けられて、岡嶋は少し島田の方に寄って表示された写真を見る。
純白のウェディングドレスとそれに合わせた白いタキシードを着込んだ男女が、青い空と海を背景に幸せそうに笑っている。
「どう?素敵でしょ。なんとこちらの旦那様、従姉より八つ年下なんだよ」
「八つ……」
「そう、八つ」
岡嶋の呟きに答えるように、島田が笑顔でその数字を繰り返す。
「でもほら、並んでてもちっとも違和感ないでしょ?むしろお似合いって言うか。あねさん女房だねなんて親戚の人達は言うんだけど、従姉にこっそり聞いた話だと、実は彼の方がずっと年上っぽくて、従姉は全然“あねさん”って感じじゃないんだって。むしろ彼の方が年上なんじゃないかと思うって言ってるくらい」