春待月の一夜のこと
「もう酔ってません。失礼な。これは、とっても重要なことなの!あたしの今後の方針に関わる大切なことなんだから、最重要事項と言ってもいいくらいのことなんだから、真面目に訊いてるんです。だから雅功くんも、真面目に、誠意を持って答えて」


本人曰く酔ってはいないそうなので、あんバターまんに謎の成分が含まれている可能性も低いことから、待たせ過ぎて何かがぶち切れ、もしくはぶっ飛び、テンションがおかしくなったと考えるのが妥当かもしれない。


「凄く重要な質問であることはよくわかった。……ちなみに、“今後の方針”っていうのは、何に対する?」

「今後の方針は今後の方針に決まってるでしょ」


どうやら、教えてはもらえないらしい。
島田の“今後の方針”は気になるところではあるが、ひとまずそれは置いておくことにして、岡嶋はとても重要であるらしい問いについて考える。

まず一つ目、島田とそういうことになるのが嫌なのかについては、なんとも答え難い。
簡単に言ってしまえば嫌なわけではないのだが、世間体とか親の反応とか、色々考えてしまうとそれをそのまま口に出すことはどうしても憚られる。
なので一旦それは飛ばして次の問いへ。
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