春待月の一夜のこと
「……本当に答えになってなさ過ぎてびっくりした。え、説明を求めたい」

「だから、答えにはなってないかもしれないって前置きしただろ」


それにしたってだ。これは説明がないと納得出来ないだろう。


「そもそも俺には、なんでそこで島田が不安になるのかが謎なんだが。飲み会なんて、島田もしょっちゅう参加してるだろ」

「飲み会に参加してることを不安がっているわけではないので」


それが合コンだというなら話は別だけれど。


「じゃあ仮に、雅功くんがあたしの立場だったらどう?あたしが、男の人と二人っきりでいるところを目撃したら」

「どうって……」


しばし考えるように天を仰いだ岡嶋は、ややあって悩み悩み答えた。


「まあ、その……なんだ、なんかこう……複雑?というか、どういう関係なんだろうな、とは思う……たぶん」


口に出してもまだ悩んでいるのか、表情がどうにもすっきりしない様子の岡嶋。しばらくすると、また天井を仰いで何事かを考え始める。
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