春待月の一夜のこと
確かに距離的なことを考えれば、最初のきのこが安い店は、岡嶋宅から島田宅に向かう最短距離の途中にあるので、寄るには丁度いい。
たいしてもう一つの、鍋の食材がお安い方の店は、ぐるっと遠回りをするように島田宅に向かう道の途中にあるので、最初の店に行くよりもずっと時間がかかってしまう。
島田的には時間がかかっても困らないどころか、車内で話をする時間が長く取れるので逆に好都合だったりするのだが、まあ母が家で食材を待っていることを思えば、あまり時間はかけられない。
「カレー鍋だったらさ、締めはカレーうどんだと思う?それともカレーリゾット?」
「どっちでもいいんじゃないのか。ああでもうどんは買っていけるけど、ご飯だったら炊いといてもらわないといけないから、先に連絡しておいた方がいいのか」
「それもそうなんだけど、リゾットにするならチーズがいるでしょ。そうなると、最初にチラシ見せた店の方が、乳製品が安い」
「……お前はまた迷わせるようなことを」
遂に岡嶋は、スーパー選びに頭を抱えてしまった。
たいしてもう一つの、鍋の食材がお安い方の店は、ぐるっと遠回りをするように島田宅に向かう道の途中にあるので、最初の店に行くよりもずっと時間がかかってしまう。
島田的には時間がかかっても困らないどころか、車内で話をする時間が長く取れるので逆に好都合だったりするのだが、まあ母が家で食材を待っていることを思えば、あまり時間はかけられない。
「カレー鍋だったらさ、締めはカレーうどんだと思う?それともカレーリゾット?」
「どっちでもいいんじゃないのか。ああでもうどんは買っていけるけど、ご飯だったら炊いといてもらわないといけないから、先に連絡しておいた方がいいのか」
「それもそうなんだけど、リゾットにするならチーズがいるでしょ。そうなると、最初にチラシ見せた店の方が、乳製品が安い」
「……お前はまた迷わせるようなことを」
遂に岡嶋は、スーパー選びに頭を抱えてしまった。