春待月の一夜のこと
12
「それで岡嶋さん、結局ねたんですか?ねてないんですか?」
「おい、生々しい言い方やめろ」
「ええー、岡嶋さんだって俺のとき、やったのやってないのって生々しい言い方してたじゃないですかー」
不満げな部下の声を、岡嶋は聞こえないふりで流す。
今日は会社近くのラーメン屋で新メニューが出ると言う噂を聞いたので、それを食べに行こうと外に出たのだが、なぜだか誘ってもいないのに当たり前のような顔をしてそれについて来た田辺から、ぎょっとするような質問を投げかけられた。
そんなに大きな声でもなかったので聞こえていなかったとは思うが、万が一にも誰かに聞かれてはいないかと辺りを窺ってしまう。
幸いにも、皆自分の時間を過ごすのに忙しそうで、怪訝な顔をしてこちらを見ている人物はいなかった。
「何をそんなにきょろきょろしてるんですか?やっぱり後ろめたいことをしでかしたんですか?」
「してない。人聞きの悪いことを言うな」
休日は何してたんですか?という田辺からの質問に、岡嶋はバカ正直に答えてしまった自分を悔やむ。
「おい、生々しい言い方やめろ」
「ええー、岡嶋さんだって俺のとき、やったのやってないのって生々しい言い方してたじゃないですかー」
不満げな部下の声を、岡嶋は聞こえないふりで流す。
今日は会社近くのラーメン屋で新メニューが出ると言う噂を聞いたので、それを食べに行こうと外に出たのだが、なぜだか誘ってもいないのに当たり前のような顔をしてそれについて来た田辺から、ぎょっとするような質問を投げかけられた。
そんなに大きな声でもなかったので聞こえていなかったとは思うが、万が一にも誰かに聞かれてはいないかと辺りを窺ってしまう。
幸いにも、皆自分の時間を過ごすのに忙しそうで、怪訝な顔をしてこちらを見ている人物はいなかった。
「何をそんなにきょろきょろしてるんですか?やっぱり後ろめたいことをしでかしたんですか?」
「してない。人聞きの悪いことを言うな」
休日は何してたんですか?という田辺からの質問に、岡嶋はバカ正直に答えてしまった自分を悔やむ。