春待月の一夜のこと
「それに、ここで田中さんを待ってるより、一緒に回った方が絶対に楽しいしね。てことで行こうか!どこまで見たの?」
「どこまで、というか……入口からここまでとりあえず歩いてみただけで、まだちゃんと見てない」
「まあ、そっか。一人で見て回るなら俺のこと誘う必要ないもんね」
いつの間にか掴んでいた腕を離した田辺は、「それ見せて」と真帆の持っている地図を指差す。
渡しながら真帆は
「あの、一つ訂正しておくと、私別に一緒にお祭り見るために田辺くんのこと誘ったわけじゃないから」
なにせ真帆は、ここでこんなお祭りが開催されていることを、来るまで知らなかった。
「え、違うの?」
田辺はお祭りの存在を知っていたのか、驚いた顔をしている。
「そもそも私、ここに来るまでお祭りの存在自体知らなかったし」
「今日のこの時間って指定だったから、てっきりお祭り一緒に回りたいから誘ったのかと思ってた。なんだそっか……。じゃあ、残念だけど移動しよっか。ほんとはどこに行く予定だったの?」
「どこまで、というか……入口からここまでとりあえず歩いてみただけで、まだちゃんと見てない」
「まあ、そっか。一人で見て回るなら俺のこと誘う必要ないもんね」
いつの間にか掴んでいた腕を離した田辺は、「それ見せて」と真帆の持っている地図を指差す。
渡しながら真帆は
「あの、一つ訂正しておくと、私別に一緒にお祭り見るために田辺くんのこと誘ったわけじゃないから」
なにせ真帆は、ここでこんなお祭りが開催されていることを、来るまで知らなかった。
「え、違うの?」
田辺はお祭りの存在を知っていたのか、驚いた顔をしている。
「そもそも私、ここに来るまでお祭りの存在自体知らなかったし」
「今日のこの時間って指定だったから、てっきりお祭り一緒に回りたいから誘ったのかと思ってた。なんだそっか……。じゃあ、残念だけど移動しよっか。ほんとはどこに行く予定だったの?」