春待月の一夜のこと
昨夜のことを白黒はっきりさせたい気持ちはあるけれど、田辺はこの調子だし、ただ真帆の心だけがざわざわして、このままだといつ核心に迫られて自分の涙腺が崩壊するかわからない。
崩壊するのが涙腺だけならいいけれど、泣き喚いた挙句に田辺に当たり散らしたりして、情緒が崩壊したら堪らない。
だからそうなる前に、一旦家に帰って一人になって、冷静な心と頭を取り戻したい。
白黒はっきりつけるのは、もうそれからでいい。
「何をそんなに急いでるの?」
「急いでるわけじゃない。田辺くんが余計な話しかしなくて、肝心な話をしないから、これ以上ここにいてもしょうがないから帰るってだけ。帰って一人で考えた方がずっと効率的」
「そうかなー。一人で考えたところで、結局自分が覚えていないことはわからないんじゃない?それとも、覚えてないってのは嘘で、本当は覚えてるとか?」
確かに田辺の言う通り、覚えていないことは考えたってわからない。これが薄っすらとでも覚えていればまた違ったのに、悲しいことに全く記憶がない。
崩壊するのが涙腺だけならいいけれど、泣き喚いた挙句に田辺に当たり散らしたりして、情緒が崩壊したら堪らない。
だからそうなる前に、一旦家に帰って一人になって、冷静な心と頭を取り戻したい。
白黒はっきりつけるのは、もうそれからでいい。
「何をそんなに急いでるの?」
「急いでるわけじゃない。田辺くんが余計な話しかしなくて、肝心な話をしないから、これ以上ここにいてもしょうがないから帰るってだけ。帰って一人で考えた方がずっと効率的」
「そうかなー。一人で考えたところで、結局自分が覚えていないことはわからないんじゃない?それとも、覚えてないってのは嘘で、本当は覚えてるとか?」
確かに田辺の言う通り、覚えていないことは考えたってわからない。これが薄っすらとでも覚えていればまた違ったのに、悲しいことに全く記憶がない。