春待月の一夜のこと
おそらくそれは全ての道具を並べて撮った最初の一枚、何が写っているのか一瞬わからなくなるくらいアップになった端っこに、確かに人が写り込んでいる。
よく見れば、サイズの合わないTシャツをぶかっと着ている感じが、今の真帆によく似ている。つまり、女性と言われればそんな感じがしなくもない。
「……小柄な男性って可能性もないわけじゃなくない?」
「いやいや田中さん、この感じは絶対女の人だって。よく見てよ、今の田中さんとシルエットそっくりじゃん」
「小柄な男性だったら、でっかいTシャツ着たらこんなシルエットになると思う」
「よし、本人に会った時訊こう。それが一番早くて確実」
写真に見切れている人物の性別問題がひと段落したところで、田辺は端っこをアップにしていた写真を元に戻して、改めて真帆に画面を見せる。
「それで田中さんは、本当にいらないの?今ならタダでこの道具が全部貰えちゃうんだよ。とってもお得だよ」
「……使わないものを貰ってもしょうがないし」
よく見れば、サイズの合わないTシャツをぶかっと着ている感じが、今の真帆によく似ている。つまり、女性と言われればそんな感じがしなくもない。
「……小柄な男性って可能性もないわけじゃなくない?」
「いやいや田中さん、この感じは絶対女の人だって。よく見てよ、今の田中さんとシルエットそっくりじゃん」
「小柄な男性だったら、でっかいTシャツ着たらこんなシルエットになると思う」
「よし、本人に会った時訊こう。それが一番早くて確実」
写真に見切れている人物の性別問題がひと段落したところで、田辺は端っこをアップにしていた写真を元に戻して、改めて真帆に画面を見せる。
「それで田中さんは、本当にいらないの?今ならタダでこの道具が全部貰えちゃうんだよ。とってもお得だよ」
「……使わないものを貰ってもしょうがないし」