身代わりから始まる恋 〜白い悪魔の正体は甘くて優しい白馬の王子!?〜
「あのあと、大丈夫だった?」
「……うん」
「あの男とは?」
「別れたよ。職場恋愛だったから気まずくって仕方ないわ。警察官て大変ね、あとの心配まで」
香蓮はむりやり笑う。
「個人的に心配だったから。普通はこんなふうに誘わないよ」
香蓮は返答に困った。個人的に、と言われるとなんだかどきどきしてしまう。
「仕事で知った情報の私的利用は禁止だけど、ヘルメットにカメラがついてるから個人的に連絡先を聞くなんてできなくてさ。内緒な」
彼はいたずらっぽく笑い、指を自身の唇に当てる。
なまめかしく見えて、どきん、と心臓が大きく脈打った。
会食は思い出話で盛り上がった。お酒のおかげか、会話ははずむ一方だった。
香蓮の胸にはかつての恋心が顔を覗かせる。
雄聖と別れたばかりなのに。
いや、だからこそなのか。
香蓮はすぐ隣にある水槽を見る。
そこに映る香蓮の顔はアルコールでほてり、赤い。
水面は照明にきらきらと輝き、金魚が優雅にゆらゆらと泳いでいた。
楽しく食事を済ませ、店を出た。
かつては特に仲が良かったわけではない。なのに、懐かしさが二人の距離を近付けたようだった。
寄り添って歩きながら、香蓮はたずねる。
「バイクに乗るってどんな感じ?」
「楽しいよ。よくあるフレーズだけど、やっぱり風になる感じがする」
「……うん」
「あの男とは?」
「別れたよ。職場恋愛だったから気まずくって仕方ないわ。警察官て大変ね、あとの心配まで」
香蓮はむりやり笑う。
「個人的に心配だったから。普通はこんなふうに誘わないよ」
香蓮は返答に困った。個人的に、と言われるとなんだかどきどきしてしまう。
「仕事で知った情報の私的利用は禁止だけど、ヘルメットにカメラがついてるから個人的に連絡先を聞くなんてできなくてさ。内緒な」
彼はいたずらっぽく笑い、指を自身の唇に当てる。
なまめかしく見えて、どきん、と心臓が大きく脈打った。
会食は思い出話で盛り上がった。お酒のおかげか、会話ははずむ一方だった。
香蓮の胸にはかつての恋心が顔を覗かせる。
雄聖と別れたばかりなのに。
いや、だからこそなのか。
香蓮はすぐ隣にある水槽を見る。
そこに映る香蓮の顔はアルコールでほてり、赤い。
水面は照明にきらきらと輝き、金魚が優雅にゆらゆらと泳いでいた。
楽しく食事を済ませ、店を出た。
かつては特に仲が良かったわけではない。なのに、懐かしさが二人の距離を近付けたようだった。
寄り添って歩きながら、香蓮はたずねる。
「バイクに乗るってどんな感じ?」
「楽しいよ。よくあるフレーズだけど、やっぱり風になる感じがする」