身代わりから始まる恋 〜白い悪魔の正体は甘くて優しい白馬の王子!?〜
「あの男、同じ職場なんだよな」
香蓮はうなずく。
「心配だな」
澄玲は思案顔になる。しばらくして、神妙な顔で香蓮を見た。
「変なこと言うけどさ」
澄玲の言葉に、香蓮は黙って続きを待つ。
「俺とつきあわない?」
「え?」
香蓮は目を見開いた。彼の顔は真剣だった。
「警察官が恋人なら、あの男も手出しできないんじゃないのかな」
偽装する、ということか。
香蓮は息をついた。胸は複雑に揺れた。
別れた直後に、偽装とはいえ恋人を作るなんて。
そもそも、そんなの澄玲に申し訳ない。
だが、雄聖のあの剣幕が怖かった。自分を身代わりにしようとしたり、置き去りにしたり、所有物のように差し出そうとしたり。捨て台詞を吐く当たり反省はしてないだろう。次はなにをされるのか。
「白葉くん、恋人は?」
「いたらこんなこと言ってない」
澄玲は苦笑する。
「迷惑じゃない?」
香蓮は不安にたずねる。迷惑に決まってる。だが、恐怖に負けて彼の優しさにすがりたくなってしまう。
「それなら最初から提案してないよ」
彼が優しく微笑むから、香蓮の心はたやすく傾いた。
香蓮はうなずく。
「心配だな」
澄玲は思案顔になる。しばらくして、神妙な顔で香蓮を見た。
「変なこと言うけどさ」
澄玲の言葉に、香蓮は黙って続きを待つ。
「俺とつきあわない?」
「え?」
香蓮は目を見開いた。彼の顔は真剣だった。
「警察官が恋人なら、あの男も手出しできないんじゃないのかな」
偽装する、ということか。
香蓮は息をついた。胸は複雑に揺れた。
別れた直後に、偽装とはいえ恋人を作るなんて。
そもそも、そんなの澄玲に申し訳ない。
だが、雄聖のあの剣幕が怖かった。自分を身代わりにしようとしたり、置き去りにしたり、所有物のように差し出そうとしたり。捨て台詞を吐く当たり反省はしてないだろう。次はなにをされるのか。
「白葉くん、恋人は?」
「いたらこんなこと言ってない」
澄玲は苦笑する。
「迷惑じゃない?」
香蓮は不安にたずねる。迷惑に決まってる。だが、恐怖に負けて彼の優しさにすがりたくなってしまう。
「それなら最初から提案してないよ」
彼が優しく微笑むから、香蓮の心はたやすく傾いた。