身代わりから始まる恋  〜白い悪魔の正体は甘くて優しい白馬の王子!?〜
「こう言ってるんだ。さっさと帰れよ」
 雄聖が勝ち誇って言う。
「来週の警察学校の文化祭には来てくれないか。君に見てもらいたい」
「未練がましいな」
 雄聖がせせら笑う。

「行くわ」
「ダメだ!」
「他人に個人の行動を制限する権利はない」
 澄玲は無表情で雄聖を見据える。雄聖は威嚇するように睨み返す。

 しばらくして、先に目をそらしたのは雄聖だった。
「これが最後だからな」
 憎々し気に、雄聖はつぶやいた。

***

 舞奈はイライラしていた。
 雄聖は香蓮と別れたはずなのに、あれだけ香蓮をバカにしていたのに、どうしてまたつきまとっているのだろう。さきほども香蓮を追って退社していった。

 自分は遊び仲間としか思われていないことはわかっていた。
 舞奈に気を持たせることを言うが、まったく進展がない。

 香蓮に別れを告げられたと愚痴を言われてホッとしていたら、香蓮が雄聖よりイケメンと歩いているのを見た。
 浮気をして雄聖を捨てたのか。
 怒りは頂点を超えた。
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