目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
◇18 ラミネート
今日もアドマンス公爵邸に来訪者がいた。ルーカス・レスリート宮廷魔術師総括、私が魔道具を頼んだ方だ。頼んでいた商品が出来たとの事で今日持ってきてくれた。
炊飯器やエレベーターの依頼もあるから、大変だったと思う。だから、謝ろうかなと思っていたのだけれど……
「いや~何とも面白いものを作らせていただけまして、こちらとしてはとても楽しく製作出来ました。ご令嬢には本当に感謝していますよ。ラミネート加工だなんてこんなものがご令嬢の故郷にあるとは思いもしませんでした。これを作り出した製作者はとても偉大な方なのでしょうね。いや~ぜひとも一度会って話してみたいですな。きっと他にも素晴らしいものを発明している事でしょうからそちらもお教えしてもらいたい所ではありますが、これではご令嬢が大変ですからね、そこは秘密としておきましょう。あぁ、企業秘密と言うのでしたね。いいですね~、私もこの国の為にそういった素晴らしいものを発明したいものですな」
中々止まらないレスリート伯爵様のお話。
お父様が今朝、会う時は気を付けるようにと言っていた意味が分かった。とってもおしゃべりが好きな方だったらしい。と言っても、何度も会った事があったけれど気付かなかったな。何やらぶつぶつ何か言いながら考え事をしていた場面は何度も見たけれど。
でも、いきなり話が終わってこの作ってくださった魔道具についての話が始まった。ちょっと振り回されている感があるけれど、作ってもらったのだから文句は言いません。
私が持っていたラミネーターは、ママが誕生日プレゼントで買ってくれた。今回持ってきてくれたのは、そのラミネーターと何ともそっくりで吃驚してしまった。使い方も一緒。しかも挟むフィルムも沢山作って持ってきてくださった。
「フィルムに関しては、もし使い切ってしまった時には私に言ってください。お手紙でもいいですし、アルバート、アドマンス公爵様にお願いしても構いません。すぐにお届けできるようご用意しておきます」
「何から何まで、ありがとうございます」
「いえいえ、むしろこちらがご令嬢に感謝していますよ。素晴らしいものを作る機会を頂けたのですから。
ラミネーターに関しては、著作権は私ではなくご令嬢にあります。もし商品化されたいという事でしたら我々も手を尽くさせていただく所存です。
ですが、こんなにも素晴らしい魔道具です。商品化された日にはきっと手に入れようと貴族の方々が殺到される事でしょう。私個人の考えとしては、後々の事を考えると企業秘密とした方がいいと思われますよ」
「なるほど……確かにそうですね。じゃあ、企業秘密という事で」
「承知しました。情報が漏洩しないようこちらも気を付けます。いや~、本当にこの魔道具は――」
あっ……また始まっちゃった。
でも、聞いていて感じる事は、この人は魔道具を作る事が好きで、誇りに思っているという事。だから、私の無謀なお願いを完璧に叶えることが出来た。とっても素晴らしい魔道具を作ってくださった。彼は、本当に凄い人なんだ。私の方こそ尊敬したい。
今回の事は、きちんとお代を支払った。お父様から貰ったお小遣いではあるけれど。でも、友人の娘、ではなく、魔道具製作を依頼した依頼者、として接してくれている事がとても嬉しかった。
謝ろうと思っていたのに、終始楽しそうにおしゃべりをしていた伯爵様に言うタイミングが全くなくて、ニコニコしながら帰っていった伯爵様を見送る事しか出来なかった。
後で、何かお礼の品を用意しよう。伯爵様は、どんなものが好きだろうか。お父様に聞いてみるのが一番かな。
さて、早速使ってみよう。すごく楽しみにしていたから、結構気持ちが舞い上がっちゃってて。るんるんと押し花を保管していた箱を持ってきた。
実は、この中には押し花が沢山入っている。この前いっぱいプレゼントで貰っちゃったものもあるけれど、お庭のお世話で切らなくてはならなくなってしまったお花を私が貰い受けたものも沢山あるわけで。
ドルトさんは、ぜひ使って下さいと快くお花をくださった。せっかく育てたお花を捨ててしまうのは少し残念な所があったそうだ。使って下さるのなら花も喜びますと言ってくれた。
さてさて、どういうものを作ろうか。と思っていた時には待ってましたと言わんばかりにこの家のメイドさん達が押し掛けてきた。額縁を作る際に手伝ってくれたメイドさんの他に何人もいて。お手伝いいたします! と言ってくれた。
無難に栞を作ってみようかな、と思い製作開始したんだけど、やっぱりここのメイドさん達のセンスも手際も素晴らしいもので、教えたらすぐ覚えちゃってとっても上手だった。お花の配置とか、最後に付けるリボンの色とか。私、もしかして要らない? とまで思ってしまった。
「みんな、栞使うかな?」
「皆きっと使うと思います。読書が趣味だったり、日記を付けている者もいますから。それに、お嬢様から頂いたものはきっと皆喜んで受け取ってくれますよ!」
「ほんと?」
「はいっ!」
じゃあ、この屋敷にいる人達全員分作っちゃおうかな。ちょっと時間がかかってしまうけれど、作ってくださった伯爵様に使ってみた感想を伝えなければならないし。お母様とお父様の分と、あとお花をくださったドルトさんの分を最初に作ろうかな。喜んでくれるかな? ふふ、楽しみだなぁ。
配った時の皆の反応は、素晴らしい、とかお嬢様は天才だ、とか。だいぶ絶賛してくれた。使うのが勿体ないから飾ろうとしている人まで。いや、使って下さい。その為に作ったんですから。
炊飯器やエレベーターの依頼もあるから、大変だったと思う。だから、謝ろうかなと思っていたのだけれど……
「いや~何とも面白いものを作らせていただけまして、こちらとしてはとても楽しく製作出来ました。ご令嬢には本当に感謝していますよ。ラミネート加工だなんてこんなものがご令嬢の故郷にあるとは思いもしませんでした。これを作り出した製作者はとても偉大な方なのでしょうね。いや~ぜひとも一度会って話してみたいですな。きっと他にも素晴らしいものを発明している事でしょうからそちらもお教えしてもらいたい所ではありますが、これではご令嬢が大変ですからね、そこは秘密としておきましょう。あぁ、企業秘密と言うのでしたね。いいですね~、私もこの国の為にそういった素晴らしいものを発明したいものですな」
中々止まらないレスリート伯爵様のお話。
お父様が今朝、会う時は気を付けるようにと言っていた意味が分かった。とってもおしゃべりが好きな方だったらしい。と言っても、何度も会った事があったけれど気付かなかったな。何やらぶつぶつ何か言いながら考え事をしていた場面は何度も見たけれど。
でも、いきなり話が終わってこの作ってくださった魔道具についての話が始まった。ちょっと振り回されている感があるけれど、作ってもらったのだから文句は言いません。
私が持っていたラミネーターは、ママが誕生日プレゼントで買ってくれた。今回持ってきてくれたのは、そのラミネーターと何ともそっくりで吃驚してしまった。使い方も一緒。しかも挟むフィルムも沢山作って持ってきてくださった。
「フィルムに関しては、もし使い切ってしまった時には私に言ってください。お手紙でもいいですし、アルバート、アドマンス公爵様にお願いしても構いません。すぐにお届けできるようご用意しておきます」
「何から何まで、ありがとうございます」
「いえいえ、むしろこちらがご令嬢に感謝していますよ。素晴らしいものを作る機会を頂けたのですから。
ラミネーターに関しては、著作権は私ではなくご令嬢にあります。もし商品化されたいという事でしたら我々も手を尽くさせていただく所存です。
ですが、こんなにも素晴らしい魔道具です。商品化された日にはきっと手に入れようと貴族の方々が殺到される事でしょう。私個人の考えとしては、後々の事を考えると企業秘密とした方がいいと思われますよ」
「なるほど……確かにそうですね。じゃあ、企業秘密という事で」
「承知しました。情報が漏洩しないようこちらも気を付けます。いや~、本当にこの魔道具は――」
あっ……また始まっちゃった。
でも、聞いていて感じる事は、この人は魔道具を作る事が好きで、誇りに思っているという事。だから、私の無謀なお願いを完璧に叶えることが出来た。とっても素晴らしい魔道具を作ってくださった。彼は、本当に凄い人なんだ。私の方こそ尊敬したい。
今回の事は、きちんとお代を支払った。お父様から貰ったお小遣いではあるけれど。でも、友人の娘、ではなく、魔道具製作を依頼した依頼者、として接してくれている事がとても嬉しかった。
謝ろうと思っていたのに、終始楽しそうにおしゃべりをしていた伯爵様に言うタイミングが全くなくて、ニコニコしながら帰っていった伯爵様を見送る事しか出来なかった。
後で、何かお礼の品を用意しよう。伯爵様は、どんなものが好きだろうか。お父様に聞いてみるのが一番かな。
さて、早速使ってみよう。すごく楽しみにしていたから、結構気持ちが舞い上がっちゃってて。るんるんと押し花を保管していた箱を持ってきた。
実は、この中には押し花が沢山入っている。この前いっぱいプレゼントで貰っちゃったものもあるけれど、お庭のお世話で切らなくてはならなくなってしまったお花を私が貰い受けたものも沢山あるわけで。
ドルトさんは、ぜひ使って下さいと快くお花をくださった。せっかく育てたお花を捨ててしまうのは少し残念な所があったそうだ。使って下さるのなら花も喜びますと言ってくれた。
さてさて、どういうものを作ろうか。と思っていた時には待ってましたと言わんばかりにこの家のメイドさん達が押し掛けてきた。額縁を作る際に手伝ってくれたメイドさんの他に何人もいて。お手伝いいたします! と言ってくれた。
無難に栞を作ってみようかな、と思い製作開始したんだけど、やっぱりここのメイドさん達のセンスも手際も素晴らしいもので、教えたらすぐ覚えちゃってとっても上手だった。お花の配置とか、最後に付けるリボンの色とか。私、もしかして要らない? とまで思ってしまった。
「みんな、栞使うかな?」
「皆きっと使うと思います。読書が趣味だったり、日記を付けている者もいますから。それに、お嬢様から頂いたものはきっと皆喜んで受け取ってくれますよ!」
「ほんと?」
「はいっ!」
じゃあ、この屋敷にいる人達全員分作っちゃおうかな。ちょっと時間がかかってしまうけれど、作ってくださった伯爵様に使ってみた感想を伝えなければならないし。お母様とお父様の分と、あとお花をくださったドルトさんの分を最初に作ろうかな。喜んでくれるかな? ふふ、楽しみだなぁ。
配った時の皆の反応は、素晴らしい、とかお嬢様は天才だ、とか。だいぶ絶賛してくれた。使うのが勿体ないから飾ろうとしている人まで。いや、使って下さい。その為に作ったんですから。