目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
◇23 カリナ・メルト伯爵令嬢
私は今、お母様に相談中である。その相談内容は、とある人物の事だ。
カリナ・メルト嬢。数日前、初めて王宮に行った際に助けてくれた人。お礼をしたかったんだけどどうしたらいいか分からずそのままとなってしまっていた。
「カリナ・メルト……メルト伯爵のご令嬢かしら。確か一人娘がいるって言っていたから、その子ね」
「あの、助けていただいたのでお礼がしたいのですが……」
「じゃあ、屋敷に招待してはどうかしら」
「招待、ですか?」
「えぇ、お茶会を開くの。アヤメは初めてだから、2人だけでも大丈夫よ」
お茶会に招待か。お茶会って、まだナナミちゃん達としかしたことがないよね。何回もお茶会をしていたけれど、大丈夫かな、出来るかな。
でも、私の考えはお母様には丸分かりだった。大丈夫よ、好きなようにしてみなさい。と言われてしまって。
じゃあ、頑張ってお茶会を開いてみよう。とりあえず、招待状を書かなきゃ!
お母様からアドバイスを沢山貰いつつも、何とか準備が進み、やっとの思いでご令嬢をお茶会に誘うことが出来たのだ。
「ご機嫌麗しゅう、アドマンス嬢。本日はお茶会に誘って下さりありがとうございます」
「こ、こちらこそ。来てくださってありがとうございます、メルト嬢」
だいぶ緊張気味で、彼女をお庭の東屋にご案内した。やっぱり、誰かをご招待するとここに連れて行きたくなっちゃうのよね。今日は天気がいいし、とっても素敵なお庭だし。
「あの、先日はありがとうございました」
「あぁ、いえいえ、お礼をされる様な事ではありませんから」
まだまだ、私は社交界とかそういうのってよく分からないし、そもそもそういった集まりに行った事すらない。だから、そういう対応とか上手く出来ないのよね。
だからあの日、メルト嬢が助けてくださって本当に助かったし嬉しかった。
「まだ、ここに来て、貴族とか、そういうのに慣れてなくて……だから、とっても嬉しかったです。ありがとうございました。
あの、その……それで、良ければなのですが……お友達に、なって頂けませんか……?」
「え? お友達、ですか?」
「あ、いえ、良ければなので……」
「まぁ! 嬉しいです、ぜひお友達になってください!」
よ、良かった! 私を助けてくれるくらい優しい人だから、お友達になりたいなってずっと思っていたんだけど、なってくれて本当に嬉しい!
「私、アドマンス嬢からお手紙を頂けて本当に嬉しかったんです。今社交界ではご令嬢の話で持ちきりなんですよ。とっても素敵なブランドを立ち上げたって。まだ私達と同じお年なのに、もう事業を立ち上げているだなんて。私、感動してしまって」
「えっ」
「貴族界での女性って、結婚が全てなんです。どこかのお屋敷にお勤めに行ったり、家庭教師になる女性はいらっしゃいますが、それは花嫁修業の一環にしか入りません。こんな、自分で事業を立ち上げるなんてこと、中々出来ません。
それに、ご令嬢はまだ未婚でしょう? ご令嬢のお母上に当たるアドマンス夫人やレストリス夫人もとても有名な事業を展開していますが、ご結婚なされてからでしたから。だから、ご令嬢は私の憧れなのですよ」
あ、勿論そのお二人も私にとって憧れの人達ですよ! と修正していて。でも、雲の上の人達という感覚らしい。
「だから、応援させてください。私なんかでよければ、困った事があればおっしゃって下さって構いません。全力でお支えしますよ!」
ここまで言って下さるとは。こう言われると、作って良かった思える。嬉しいな。
社交界では、【クローバー】のアクセサリーを付ける令嬢や夫人が自慢しているのだとか。次こそは手に入れてみせる、と躍起になっている人達も多いらしい。次の販売では、量を増やしたほうがいいのかな。でも、お母様は希少性を、とかって言ってたからなぁ。そこはお母様と相談してみよう。
彼女には、カリナと呼んでくださいと言われたので、私の事もアヤメと呼んでくださいとお願いした。
カリナは、私の知らない社交界の事を沢山知っていて、色々と教えてもらった。
「アヤメ、この前ルセロ嬢からのご招待断らなかった?」
「え? あ、うん。丁度立て込んでて忙しくって」
「やっぱり! ルセロ嬢がそれ言いふらしてたのよ。理由もなしに私の招待を断られたって」
「えっ」
まだ、社交界に出るには早すぎるわとお母様に言われた。負担がかかってしまうから、もう少しこの生活に慣れてからという事になって。でも、そんな風に言われてしまっていたとは思わなかった。
「それと、もしかしてアクセサリー作ってってお願いされたでしょ。その事も3日前のパーティーで言ってたの。令嬢の為に沢山よくしてあげたのに断られたって、図々しいわよね~」
「あ、はは……」
王宮での出来事があった後に手紙が来たのだ。作ってくれって。花束と一緒に。でも、あそこで作ってしまったら他の人達も真似してお願いされ作る羽目になっちゃうし。だから断ったんだけど、そうは思ってもらえなかったみたいね。今度また会ったら何て言われちゃうんだろう。怖いなぁ。
「今日はありがとう、楽しかったわ」
「私も! また、お茶会に誘ってもいい?」
「勿論よ! 私も招待するね」
「うん、待ってるね!」
そうして、お茶会は何事もなく終わることが出来た。同じ年代の女性ってナナミちゃんだけだったから、もう一人増えて嬉しいな。沢山楽しいお話が出来て本当に良かった。次、いつ会えるかな。あ、今度【なかむら】に連れてってあげようかな。和食、大丈夫かな? ふふ、楽しみだなぁ。
カリナ・メルト嬢。数日前、初めて王宮に行った際に助けてくれた人。お礼をしたかったんだけどどうしたらいいか分からずそのままとなってしまっていた。
「カリナ・メルト……メルト伯爵のご令嬢かしら。確か一人娘がいるって言っていたから、その子ね」
「あの、助けていただいたのでお礼がしたいのですが……」
「じゃあ、屋敷に招待してはどうかしら」
「招待、ですか?」
「えぇ、お茶会を開くの。アヤメは初めてだから、2人だけでも大丈夫よ」
お茶会に招待か。お茶会って、まだナナミちゃん達としかしたことがないよね。何回もお茶会をしていたけれど、大丈夫かな、出来るかな。
でも、私の考えはお母様には丸分かりだった。大丈夫よ、好きなようにしてみなさい。と言われてしまって。
じゃあ、頑張ってお茶会を開いてみよう。とりあえず、招待状を書かなきゃ!
お母様からアドバイスを沢山貰いつつも、何とか準備が進み、やっとの思いでご令嬢をお茶会に誘うことが出来たのだ。
「ご機嫌麗しゅう、アドマンス嬢。本日はお茶会に誘って下さりありがとうございます」
「こ、こちらこそ。来てくださってありがとうございます、メルト嬢」
だいぶ緊張気味で、彼女をお庭の東屋にご案内した。やっぱり、誰かをご招待するとここに連れて行きたくなっちゃうのよね。今日は天気がいいし、とっても素敵なお庭だし。
「あの、先日はありがとうございました」
「あぁ、いえいえ、お礼をされる様な事ではありませんから」
まだまだ、私は社交界とかそういうのってよく分からないし、そもそもそういった集まりに行った事すらない。だから、そういう対応とか上手く出来ないのよね。
だからあの日、メルト嬢が助けてくださって本当に助かったし嬉しかった。
「まだ、ここに来て、貴族とか、そういうのに慣れてなくて……だから、とっても嬉しかったです。ありがとうございました。
あの、その……それで、良ければなのですが……お友達に、なって頂けませんか……?」
「え? お友達、ですか?」
「あ、いえ、良ければなので……」
「まぁ! 嬉しいです、ぜひお友達になってください!」
よ、良かった! 私を助けてくれるくらい優しい人だから、お友達になりたいなってずっと思っていたんだけど、なってくれて本当に嬉しい!
「私、アドマンス嬢からお手紙を頂けて本当に嬉しかったんです。今社交界ではご令嬢の話で持ちきりなんですよ。とっても素敵なブランドを立ち上げたって。まだ私達と同じお年なのに、もう事業を立ち上げているだなんて。私、感動してしまって」
「えっ」
「貴族界での女性って、結婚が全てなんです。どこかのお屋敷にお勤めに行ったり、家庭教師になる女性はいらっしゃいますが、それは花嫁修業の一環にしか入りません。こんな、自分で事業を立ち上げるなんてこと、中々出来ません。
それに、ご令嬢はまだ未婚でしょう? ご令嬢のお母上に当たるアドマンス夫人やレストリス夫人もとても有名な事業を展開していますが、ご結婚なされてからでしたから。だから、ご令嬢は私の憧れなのですよ」
あ、勿論そのお二人も私にとって憧れの人達ですよ! と修正していて。でも、雲の上の人達という感覚らしい。
「だから、応援させてください。私なんかでよければ、困った事があればおっしゃって下さって構いません。全力でお支えしますよ!」
ここまで言って下さるとは。こう言われると、作って良かった思える。嬉しいな。
社交界では、【クローバー】のアクセサリーを付ける令嬢や夫人が自慢しているのだとか。次こそは手に入れてみせる、と躍起になっている人達も多いらしい。次の販売では、量を増やしたほうがいいのかな。でも、お母様は希少性を、とかって言ってたからなぁ。そこはお母様と相談してみよう。
彼女には、カリナと呼んでくださいと言われたので、私の事もアヤメと呼んでくださいとお願いした。
カリナは、私の知らない社交界の事を沢山知っていて、色々と教えてもらった。
「アヤメ、この前ルセロ嬢からのご招待断らなかった?」
「え? あ、うん。丁度立て込んでて忙しくって」
「やっぱり! ルセロ嬢がそれ言いふらしてたのよ。理由もなしに私の招待を断られたって」
「えっ」
まだ、社交界に出るには早すぎるわとお母様に言われた。負担がかかってしまうから、もう少しこの生活に慣れてからという事になって。でも、そんな風に言われてしまっていたとは思わなかった。
「それと、もしかしてアクセサリー作ってってお願いされたでしょ。その事も3日前のパーティーで言ってたの。令嬢の為に沢山よくしてあげたのに断られたって、図々しいわよね~」
「あ、はは……」
王宮での出来事があった後に手紙が来たのだ。作ってくれって。花束と一緒に。でも、あそこで作ってしまったら他の人達も真似してお願いされ作る羽目になっちゃうし。だから断ったんだけど、そうは思ってもらえなかったみたいね。今度また会ったら何て言われちゃうんだろう。怖いなぁ。
「今日はありがとう、楽しかったわ」
「私も! また、お茶会に誘ってもいい?」
「勿論よ! 私も招待するね」
「うん、待ってるね!」
そうして、お茶会は何事もなく終わることが出来た。同じ年代の女性ってナナミちゃんだけだったから、もう一人増えて嬉しいな。沢山楽しいお話が出来て本当に良かった。次、いつ会えるかな。あ、今度【なかむら】に連れてってあげようかな。和食、大丈夫かな? ふふ、楽しみだなぁ。