目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
◇40 お茶会
またまたやってまいりました王城です。お父様は、何回か来れば慣れるって言ってたけれど、私は3回来ても全く慣れない。一体何回来れば慣れるんですかお父様。
「あれ、アヤメちゃんじゃん」
「あ、こんにちは。フェレール侯爵様」
王宮の人に案内されている途中で、知っている人に声をかけられた。前回ここで会った事のある、近衛騎士団団長さんだった。うん、やっぱり今日もイケメンね。
「侯爵様だなんて~、普通にオダリス団長でいいって」
「え”っ!?」
「そう呼んで欲しいな~アヤメちゃん?」
「……フェレール団長?」
「ん~ちょっと寂しい気もするけど、まぁそれでいいよ」
案内役さん、困ってますよ?
今日の用事は? と聞かれて、第二王女様にお茶会にお呼ばれしましたと答えると、はは~ん、と納得している顔をしていた。
それから、ここからは俺が案内するよ、と案内役さんを下がらせてしまった。え、いいの?
「いいんですか? お仕事」
「いいっていいって、アヤメちゃんの為なら俺頑張っちゃうよ」
「……お兄様は?」
「アル? さぁ、きっと鍛錬場なんじゃないのか?」
鍛錬場か、きっと皆さん凄いんだろうなぁ。近衛騎士団ってエリート騎士団なんでしょ? そこに入れるくらいの実力を持つ人たちの集まりなんだからきっと鍛錬もすごい迫力なんじゃない?
見たい、とは……まぁ、見ていいって言われたら見てみたいけど。お兄様やお父様がいたら見たいな。きっとかっこいいんじゃないかな。あ、そういえば、私剣を振ってる所って見た事ないかも。あ、これって当たり前の事だった?
「アヤメちゃん、第二王女殿下にお会いするのこれが初めて?」
「はい」
「じゃあ知らないか。今、殿下はちょっと肩身が狭いんだよね、ここじゃ」
「あ……」
理由は簡単に分かった。王妃様と国王陛下との子供じゃないからだ。
「だから、アヤメちゃんを呼んだのはきっと策略があるんじゃないかなって思う訳。と言ってもそんなに難しい事じゃない、7才の女の子が考える事だからな」
「……それ、ここで言ってもいいんですか?」
「じゃん!」
と、言って懐から出てきたのは……結晶の置物? 掌サイズで、綺麗な水色だ。
これは一体何だろう、と思っていたら教えてくれた。これは魔道具らしくって、この水晶を起動させると、一定の範囲内でされる会話は、その範囲外の人達には聞こえなくなる優れものらしい。
でも、これは量産されておらず、王宮内で働いている者、そしてそれを持つにふさわしいと国王陛下が決めた者にしか所有することが出来ないのだとか。じゃあ、お父様も持ってるかもしれないって事ね。
「密会するのにはもってこいのものだろ?」
「お仕事で使うものをこんな所で使っていいんですか?」
「いいのいいの」
これ、職権乱用って言うんじゃなかったっけ。いいの?
「それでだ、アヤメちゃんは異世界人、そしてこの国の貴族内で一番権力を持つアドマンス家のご令嬢だ。そんなアヤメちゃんを自分の仲間に出来るなら、後ろ指を指してきていた奴らも静かになる、って事だ」
「なるほど……後ろ盾ってやつですね?」
「そ!」
アヤメちゃんは賢いね~! と頭を撫でられてしまった。これ、ここまで言われれば普通に分かるのでは? これ絶対子ども扱いされてるよね。
「一応こんな話をしたけれど、アヤメちゃんはそういうのは気にせず話したほうがいいと俺は思うな。同情とか、そういうのじゃなくて、人間性を見てこれからの接し方を決めな」
「人間性、ですか……」
「そ。ほら、こっちに来てあまり社交界とか知らないだろ? 社交界なんて下心ありありな奴らで溢れてるんだ、アヤメちゃんが餌食になるのは俺嫌だし。だから、社交界に出る前に色々と知ってたほうがいいかなって思ったわけよ」
お節介な事しちゃったかな? と聞かれたけれど、私は頭を横に振った。知らないより知っていた方が一番いい、知らず知らずに大変な事になっていて後で気付くだなんて絶対嫌だもん。お父様とお母様に迷惑かけちゃう。
「ありがとうございます、団長さん」
「役に立ったかな?」
「はい!」
「ははっ、おにーさんは嬉しいよ♪」
ほら、着いたから行ってきな。と送り出してくれた。目の前には、とある部屋のドア。何となく付いてきたけれど、ここ別宮みたいで、本城よりもシンプルな感じがする。ここに住んでるのね。
じゃあ行ってきます、と団長さんに手を振って。入口に立っている人が開けてくれたドアをくぐったのだ。
部屋の中はとても質素。そしてソファーに座っていたのは小さな女の子。
「お初にお目にかかります、アヤメ・アドマンスでございます。本日はお茶会にご招待いただきありがとうございます」
「来てくれてありがとう。私は、クララ・トワ・ラスティウスよ」
とっても可愛らしい声。髪の色が王太子殿下とそっくり。だけど顔は似ているようでどこか違う感じ。国王陛下の弟の娘さんだからか。
そんな時、この部屋のドアがノックされた。返事をしないまま、ドアが開かれてしまった。入ってきたのは……
「王国の太陽、王妃殿下にご挨拶いたします。お久しぶりでございます、王妃様」
「えぇ、久しぶりね」
「王妃殿下、こんにちは」
「えぇ、今日はアヤメさんをお呼びしたのね」
「は、はい……」
……あれ? なんか、王妃殿下……
「アヤメさんの体調は確認したの? 彼女は病弱なのよ?」
「……」
「アヤメさん、今は大丈夫かしら?」
「は、はい。大丈夫です」
「本当にアヤメさんは優しいわね。ずっと立っていては疲れてしまうでしょう、座って?」
「し、失礼します」
……あれ? 王妃殿下、王女殿下への当たりが強い気がするのは、気のせいではないよね?
手紙には、王妃殿下は参加するという事は書かれてなかった。でも来たって事は、今日決まったのか、それとも……
「お茶、何を用意したの?」
「リミアティーです」
「あら、そんな安っぽいお茶を? アドマンス家はとても由緒あるお家なのよ。そのご令嬢にそんなお茶を飲ませようと?」
「……申し訳、ありません」
「貴方にはお客様をおもてなしをするのは早かったみたいね。ごめんなさいね、アヤメさん」
「あ、いえ、大丈夫です」
王妃様と一緒に来ていたメイドさんに、お茶の準備を指示した王妃殿下。やっぱり一緒に飲むみたいね。でも、王女様は大丈夫だろうか。
でも、メイドさんと入れ替わりでもう一人メイドさんが入って来て。そして王妃殿下に何かを伝えていた。
「仕方ないわね。ごめんなさいね、アヤメさん。用事が出来ちゃって一緒にお茶は飲めそうにないわ」
「あ、いえ」
今度招待するわね、そう一言残して戻っていってしまった。
王女殿下の方は……ホッとしてるみたい。
「あの、ごめんなさい、アドマンス嬢……」
「いえいえ、お気になさらないでください」
「……ありがとう」
やっぱり、王妃殿下とはあまり仲が良くないのかな。自分の子供ではなくても、娘に変わりはない。それに、姪なのだから家族なのに。
「私、ずっとアドマンス嬢とお話がしたくて……」
「殿下、アヤメ、でいいですよ」
「えっ、あ……」
「私達は従妹同士なのですから、気軽に呼んでいただいて構いませんよ」
「アヤメ、さん……?」
「えぇ、それでも構いません」
「あ、ありがとう……アヤメさん」
「はい。殿下」
王女殿下は7才。まだまだ可愛い女の子だ。けど、何かもじもじしていて。何でしょう? と聞いてみたら、小さな声で……
「わ、私も……クララ、って……」
「よろしいのですか?」
「はいっ!」
「ふふ、じゃあ、クララ様」
「あ……」
え、それでもまだご不満? となると……さん? それとも呼び捨て? いやいや、それは無理ですよ。これでどうか我慢してください。私が無理です。
「あ、あの、お手紙、とっても嬉しかったわ。あの、アヤメさんのブランドの……」
「【フラワーメール】ですか?」
「そう! まだ見た事がない切手が貼られているように、思ったのだけれど……」
「これから出そうと思っている新作だったんです」
「えっ!? よ、よかったの? 私に使っちゃって……」
「はい、その様子だと、喜んで頂けたようですね。良かったです」
「あ、ありがとう……!」
ふふ、やっぱり新作を使って良かった。こんなに喜んでくれたんだから。
私の宝物の一つになったの! って楽しそうに話してくださるから、もう本当に嬉しい。
「あの、ですね、それで……」
「如何しました?」
「その……お友達、に……」
「お友達?」
あら、何だか覚えがあるぞ? 私もそんな感じでお友達作った記憶があるんだけど。気持ちは分かりますよ、クララ様。
「クララ様とお友達になれるなんて光栄ですよ、よろしくお願いします」
「ほ……本当!」
可愛い、とっても可愛い。もじもじしながら頑張って話してくださる所とか、本当に可愛い。団長さん、私第二王女様とお友達になっちゃいました。可愛らしい人ですよ、本当に。
「あの……アヤメさんはご存じ……? 私、本当は王女じゃなくて……養女なの」
「えぇ、知ってますよ」
「そ、それでも、お友達に……?」
「先程言った通りですよ、クララ様とお友達になれるならとっても嬉しいです」
「あ……ありがとう……!」
可愛い。うん、可愛い。
それから、楽しくおしゃべりをして、また招待しますねと約束もしてお茶会は終わりとなった。
待ち構えていたかのように帰りの途中で団長さんに捕まり、とりあえず可愛かったですと言っておいた。アヤメちゃんも可愛いよ? と返された時には困ったけど、お兄様が登場してそのまま帰宅する事になった。
またお会いした時には、どんな話をしようかな。また会える日が楽しみだなぁ。
「あれ、アヤメちゃんじゃん」
「あ、こんにちは。フェレール侯爵様」
王宮の人に案内されている途中で、知っている人に声をかけられた。前回ここで会った事のある、近衛騎士団団長さんだった。うん、やっぱり今日もイケメンね。
「侯爵様だなんて~、普通にオダリス団長でいいって」
「え”っ!?」
「そう呼んで欲しいな~アヤメちゃん?」
「……フェレール団長?」
「ん~ちょっと寂しい気もするけど、まぁそれでいいよ」
案内役さん、困ってますよ?
今日の用事は? と聞かれて、第二王女様にお茶会にお呼ばれしましたと答えると、はは~ん、と納得している顔をしていた。
それから、ここからは俺が案内するよ、と案内役さんを下がらせてしまった。え、いいの?
「いいんですか? お仕事」
「いいっていいって、アヤメちゃんの為なら俺頑張っちゃうよ」
「……お兄様は?」
「アル? さぁ、きっと鍛錬場なんじゃないのか?」
鍛錬場か、きっと皆さん凄いんだろうなぁ。近衛騎士団ってエリート騎士団なんでしょ? そこに入れるくらいの実力を持つ人たちの集まりなんだからきっと鍛錬もすごい迫力なんじゃない?
見たい、とは……まぁ、見ていいって言われたら見てみたいけど。お兄様やお父様がいたら見たいな。きっとかっこいいんじゃないかな。あ、そういえば、私剣を振ってる所って見た事ないかも。あ、これって当たり前の事だった?
「アヤメちゃん、第二王女殿下にお会いするのこれが初めて?」
「はい」
「じゃあ知らないか。今、殿下はちょっと肩身が狭いんだよね、ここじゃ」
「あ……」
理由は簡単に分かった。王妃様と国王陛下との子供じゃないからだ。
「だから、アヤメちゃんを呼んだのはきっと策略があるんじゃないかなって思う訳。と言ってもそんなに難しい事じゃない、7才の女の子が考える事だからな」
「……それ、ここで言ってもいいんですか?」
「じゃん!」
と、言って懐から出てきたのは……結晶の置物? 掌サイズで、綺麗な水色だ。
これは一体何だろう、と思っていたら教えてくれた。これは魔道具らしくって、この水晶を起動させると、一定の範囲内でされる会話は、その範囲外の人達には聞こえなくなる優れものらしい。
でも、これは量産されておらず、王宮内で働いている者、そしてそれを持つにふさわしいと国王陛下が決めた者にしか所有することが出来ないのだとか。じゃあ、お父様も持ってるかもしれないって事ね。
「密会するのにはもってこいのものだろ?」
「お仕事で使うものをこんな所で使っていいんですか?」
「いいのいいの」
これ、職権乱用って言うんじゃなかったっけ。いいの?
「それでだ、アヤメちゃんは異世界人、そしてこの国の貴族内で一番権力を持つアドマンス家のご令嬢だ。そんなアヤメちゃんを自分の仲間に出来るなら、後ろ指を指してきていた奴らも静かになる、って事だ」
「なるほど……後ろ盾ってやつですね?」
「そ!」
アヤメちゃんは賢いね~! と頭を撫でられてしまった。これ、ここまで言われれば普通に分かるのでは? これ絶対子ども扱いされてるよね。
「一応こんな話をしたけれど、アヤメちゃんはそういうのは気にせず話したほうがいいと俺は思うな。同情とか、そういうのじゃなくて、人間性を見てこれからの接し方を決めな」
「人間性、ですか……」
「そ。ほら、こっちに来てあまり社交界とか知らないだろ? 社交界なんて下心ありありな奴らで溢れてるんだ、アヤメちゃんが餌食になるのは俺嫌だし。だから、社交界に出る前に色々と知ってたほうがいいかなって思ったわけよ」
お節介な事しちゃったかな? と聞かれたけれど、私は頭を横に振った。知らないより知っていた方が一番いい、知らず知らずに大変な事になっていて後で気付くだなんて絶対嫌だもん。お父様とお母様に迷惑かけちゃう。
「ありがとうございます、団長さん」
「役に立ったかな?」
「はい!」
「ははっ、おにーさんは嬉しいよ♪」
ほら、着いたから行ってきな。と送り出してくれた。目の前には、とある部屋のドア。何となく付いてきたけれど、ここ別宮みたいで、本城よりもシンプルな感じがする。ここに住んでるのね。
じゃあ行ってきます、と団長さんに手を振って。入口に立っている人が開けてくれたドアをくぐったのだ。
部屋の中はとても質素。そしてソファーに座っていたのは小さな女の子。
「お初にお目にかかります、アヤメ・アドマンスでございます。本日はお茶会にご招待いただきありがとうございます」
「来てくれてありがとう。私は、クララ・トワ・ラスティウスよ」
とっても可愛らしい声。髪の色が王太子殿下とそっくり。だけど顔は似ているようでどこか違う感じ。国王陛下の弟の娘さんだからか。
そんな時、この部屋のドアがノックされた。返事をしないまま、ドアが開かれてしまった。入ってきたのは……
「王国の太陽、王妃殿下にご挨拶いたします。お久しぶりでございます、王妃様」
「えぇ、久しぶりね」
「王妃殿下、こんにちは」
「えぇ、今日はアヤメさんをお呼びしたのね」
「は、はい……」
……あれ? なんか、王妃殿下……
「アヤメさんの体調は確認したの? 彼女は病弱なのよ?」
「……」
「アヤメさん、今は大丈夫かしら?」
「は、はい。大丈夫です」
「本当にアヤメさんは優しいわね。ずっと立っていては疲れてしまうでしょう、座って?」
「し、失礼します」
……あれ? 王妃殿下、王女殿下への当たりが強い気がするのは、気のせいではないよね?
手紙には、王妃殿下は参加するという事は書かれてなかった。でも来たって事は、今日決まったのか、それとも……
「お茶、何を用意したの?」
「リミアティーです」
「あら、そんな安っぽいお茶を? アドマンス家はとても由緒あるお家なのよ。そのご令嬢にそんなお茶を飲ませようと?」
「……申し訳、ありません」
「貴方にはお客様をおもてなしをするのは早かったみたいね。ごめんなさいね、アヤメさん」
「あ、いえ、大丈夫です」
王妃様と一緒に来ていたメイドさんに、お茶の準備を指示した王妃殿下。やっぱり一緒に飲むみたいね。でも、王女様は大丈夫だろうか。
でも、メイドさんと入れ替わりでもう一人メイドさんが入って来て。そして王妃殿下に何かを伝えていた。
「仕方ないわね。ごめんなさいね、アヤメさん。用事が出来ちゃって一緒にお茶は飲めそうにないわ」
「あ、いえ」
今度招待するわね、そう一言残して戻っていってしまった。
王女殿下の方は……ホッとしてるみたい。
「あの、ごめんなさい、アドマンス嬢……」
「いえいえ、お気になさらないでください」
「……ありがとう」
やっぱり、王妃殿下とはあまり仲が良くないのかな。自分の子供ではなくても、娘に変わりはない。それに、姪なのだから家族なのに。
「私、ずっとアドマンス嬢とお話がしたくて……」
「殿下、アヤメ、でいいですよ」
「えっ、あ……」
「私達は従妹同士なのですから、気軽に呼んでいただいて構いませんよ」
「アヤメ、さん……?」
「えぇ、それでも構いません」
「あ、ありがとう……アヤメさん」
「はい。殿下」
王女殿下は7才。まだまだ可愛い女の子だ。けど、何かもじもじしていて。何でしょう? と聞いてみたら、小さな声で……
「わ、私も……クララ、って……」
「よろしいのですか?」
「はいっ!」
「ふふ、じゃあ、クララ様」
「あ……」
え、それでもまだご不満? となると……さん? それとも呼び捨て? いやいや、それは無理ですよ。これでどうか我慢してください。私が無理です。
「あ、あの、お手紙、とっても嬉しかったわ。あの、アヤメさんのブランドの……」
「【フラワーメール】ですか?」
「そう! まだ見た事がない切手が貼られているように、思ったのだけれど……」
「これから出そうと思っている新作だったんです」
「えっ!? よ、よかったの? 私に使っちゃって……」
「はい、その様子だと、喜んで頂けたようですね。良かったです」
「あ、ありがとう……!」
ふふ、やっぱり新作を使って良かった。こんなに喜んでくれたんだから。
私の宝物の一つになったの! って楽しそうに話してくださるから、もう本当に嬉しい。
「あの、ですね、それで……」
「如何しました?」
「その……お友達、に……」
「お友達?」
あら、何だか覚えがあるぞ? 私もそんな感じでお友達作った記憶があるんだけど。気持ちは分かりますよ、クララ様。
「クララ様とお友達になれるなんて光栄ですよ、よろしくお願いします」
「ほ……本当!」
可愛い、とっても可愛い。もじもじしながら頑張って話してくださる所とか、本当に可愛い。団長さん、私第二王女様とお友達になっちゃいました。可愛らしい人ですよ、本当に。
「あの……アヤメさんはご存じ……? 私、本当は王女じゃなくて……養女なの」
「えぇ、知ってますよ」
「そ、それでも、お友達に……?」
「先程言った通りですよ、クララ様とお友達になれるならとっても嬉しいです」
「あ……ありがとう……!」
可愛い。うん、可愛い。
それから、楽しくおしゃべりをして、また招待しますねと約束もしてお茶会は終わりとなった。
待ち構えていたかのように帰りの途中で団長さんに捕まり、とりあえず可愛かったですと言っておいた。アヤメちゃんも可愛いよ? と返された時には困ったけど、お兄様が登場してそのまま帰宅する事になった。
またお会いした時には、どんな話をしようかな。また会える日が楽しみだなぁ。