目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
◇66 私も参加!?
今日は、アドマンス家の馬車にお母様と二人で乗っています。どうして? それはですね……
「いーい? アヤメちゃん。自分がどうしたいかだけ考えてちょうだい。例え陛下方の前でも嫌なものは嫌、アヤメちゃんにはそう言ってもいい権利があるわ。それだけは忘れないでね」
「は、はい」
そう、王城に向かっているんです。昨日手紙が届いて、お話をしましょうという事になってしまったのだ。
王城に着いた時には、お待ちしておりましたと王宮の方に声をかけられた、ん、だけど……
「お待ちしていました」
「あら、貴方も来たの?」
「母上達が来るのですから当たり前でしょう」
そこにはお兄様が待っていたのです。お兄様、呼ばれてたっけ? と思いつつお兄様が出してくれた手に手を乗せて馬車から降りた。まさかの王城でアドマンス家の家族集結である。あ、お父様いないけれど。でも王城のどこかにはいるよね。お仕事お疲れ様です。
王城内は、とても大忙し。人の出入りが多いみたい。馬車が沢山停まっていて荷物を運び出したりしている人達が多かった。
「今、着々と他国から人が入ってきているのよ。今回の国際サミットに参加する国の人達ね」
「使節団の方々、ですか?」
「そう。他国の方々はこちらで用意した別宮を使っていただく事になってるの。いらっしゃる方々は王族ばかりだから」
「じゃあ、警備とかも大変ですよね」
「王城の警備兵や騎士団でも対応はしているし、向こう側も連れてきている事でしょうから連携を取れるよう話し合いをしている所だと思うわ」
……じゃあ、近衛騎士団副団長のお兄様ここにいちゃダメな人達なんじゃ……? 忙しいんじゃないの? でもお兄様には言い出せなかった。
ちらちらと私達を見る周りの方々。まぁ、アドマンス家ってあまり揃わないらしいから珍しいし。気持ちは分かるけれど……こちらとしてはちょっと困るな。
なぁんて思っていたら到着。前に来たことのある部屋の前に来た。
「では、俺はここで」
「あっ……」
お兄様はここまでだそうだ。ちょっと寂しいかも。
そして、部屋の前に立っていた王城の人がドアを開けてくれた。
「待っておったぞ」
「さ、どうぞ入って」
待っていたのは国王様と王妃様。よかった、王太子殿下はいないみたい。また何か言われちゃったら大変だもんね。
お二人に挨拶をして、向かい側のソファーに座らせていただいた。
「さて、今日来てもらったのは数週間後に行われる国際サミットの件だ。聞いていると思うが、近国6ヶ国の王族達がこれからこの国に集結し、会議をする」
「アヤメさんには、その会議に出てほしいの」
……ん?
わ、私が、会議に、出る……?
「えっ!?」
「アヤメ嬢は異世界人、だから自己紹介をしてくれればいい」
口が、塞がらなかった。私が、王族の方々の前で、自己紹介……?
でも、これは初めての事ではないらしい。前回も、前々回も、その前にも異世界人が会議に参加していたそうだ。ただ自己紹介を、だなんて……ただ、アヤメ・アドマンスですって言えばいい? いやいやいや、王族の人達の前でそれだけってダメでしょ。
「それでね、会議後にパーティーを開く予定なのだけれど、アヤメさんはどんなものがいいかしら?」
「私、ですか……」
「以前デビュタントで使ったキュリストホールがいいんじゃないかって思ってるんだけれど、他はもし要望があるのであれば聞きたいわ」
よ、要望かぁ……私、パーティーだなんてデビュタントの一回だけしか行った事がないからよく分からないなぁ。ど、どうしたらいいんだろう。
「恐れながら、王妃殿下。その件に関しては、私と娘で話し合いをしてから殿下にお伝えしてもよろしいでしょうか」
「そうね、いきなり言われても分からないわよね。あぁ、なら、そちらに任せてもいいかしら」
「王家主催ではなく、アドマンス家主催、という事ですか」
「えぇ、こちらでも色々と予定が立て込んでいるから、やってくれると嬉しいのだけれど。あぁ、会場はキュリストホールを使ってもらって構わないわ」
「分かりました、こちらに任せてください」
「その言葉を聞けて嬉しいわ」
王城の会場でのパーティーを私達が担当するの? あ、お母様はここの事よく知ってるけれど。じゃあ、後でお母様に色々と聞かなきゃ。
そんな時、ふとあの言葉を思い出した。【なかむら】でカリナとタクミと話した内容を。
スフェーンとセオリシア。今喧嘩中だって聞いた。こっちで鉢合わせをしたらどうなっちゃうんだろう。大変な事に発展しないといいんだけどなぁ。
でも、ここはカーネリアンだから騒ぎを起こす事はないよね、うん。
ではまた、と私達は部屋を退出した。
「終わりましたか」
「え?」
部屋のドアの所に待っていたのかお兄様が立っていた。私達が入ってから仕事に戻ったと思っていたんだけれど、違ったみたい。副団長さんなのに大丈夫なの?
「あらあら~、待っててくれたのね♪」
「それが普通でしょ」
「ふ~ん」
お母様、顔がニヤけてませんか? 気持ちは分からなくはないけれど。
最近、お父様とお兄様は屋敷に帰ってきてない。それだけ大変だって事だよね。頑張ってください、お父様、お兄様!
「いーい? アヤメちゃん。自分がどうしたいかだけ考えてちょうだい。例え陛下方の前でも嫌なものは嫌、アヤメちゃんにはそう言ってもいい権利があるわ。それだけは忘れないでね」
「は、はい」
そう、王城に向かっているんです。昨日手紙が届いて、お話をしましょうという事になってしまったのだ。
王城に着いた時には、お待ちしておりましたと王宮の方に声をかけられた、ん、だけど……
「お待ちしていました」
「あら、貴方も来たの?」
「母上達が来るのですから当たり前でしょう」
そこにはお兄様が待っていたのです。お兄様、呼ばれてたっけ? と思いつつお兄様が出してくれた手に手を乗せて馬車から降りた。まさかの王城でアドマンス家の家族集結である。あ、お父様いないけれど。でも王城のどこかにはいるよね。お仕事お疲れ様です。
王城内は、とても大忙し。人の出入りが多いみたい。馬車が沢山停まっていて荷物を運び出したりしている人達が多かった。
「今、着々と他国から人が入ってきているのよ。今回の国際サミットに参加する国の人達ね」
「使節団の方々、ですか?」
「そう。他国の方々はこちらで用意した別宮を使っていただく事になってるの。いらっしゃる方々は王族ばかりだから」
「じゃあ、警備とかも大変ですよね」
「王城の警備兵や騎士団でも対応はしているし、向こう側も連れてきている事でしょうから連携を取れるよう話し合いをしている所だと思うわ」
……じゃあ、近衛騎士団副団長のお兄様ここにいちゃダメな人達なんじゃ……? 忙しいんじゃないの? でもお兄様には言い出せなかった。
ちらちらと私達を見る周りの方々。まぁ、アドマンス家ってあまり揃わないらしいから珍しいし。気持ちは分かるけれど……こちらとしてはちょっと困るな。
なぁんて思っていたら到着。前に来たことのある部屋の前に来た。
「では、俺はここで」
「あっ……」
お兄様はここまでだそうだ。ちょっと寂しいかも。
そして、部屋の前に立っていた王城の人がドアを開けてくれた。
「待っておったぞ」
「さ、どうぞ入って」
待っていたのは国王様と王妃様。よかった、王太子殿下はいないみたい。また何か言われちゃったら大変だもんね。
お二人に挨拶をして、向かい側のソファーに座らせていただいた。
「さて、今日来てもらったのは数週間後に行われる国際サミットの件だ。聞いていると思うが、近国6ヶ国の王族達がこれからこの国に集結し、会議をする」
「アヤメさんには、その会議に出てほしいの」
……ん?
わ、私が、会議に、出る……?
「えっ!?」
「アヤメ嬢は異世界人、だから自己紹介をしてくれればいい」
口が、塞がらなかった。私が、王族の方々の前で、自己紹介……?
でも、これは初めての事ではないらしい。前回も、前々回も、その前にも異世界人が会議に参加していたそうだ。ただ自己紹介を、だなんて……ただ、アヤメ・アドマンスですって言えばいい? いやいやいや、王族の人達の前でそれだけってダメでしょ。
「それでね、会議後にパーティーを開く予定なのだけれど、アヤメさんはどんなものがいいかしら?」
「私、ですか……」
「以前デビュタントで使ったキュリストホールがいいんじゃないかって思ってるんだけれど、他はもし要望があるのであれば聞きたいわ」
よ、要望かぁ……私、パーティーだなんてデビュタントの一回だけしか行った事がないからよく分からないなぁ。ど、どうしたらいいんだろう。
「恐れながら、王妃殿下。その件に関しては、私と娘で話し合いをしてから殿下にお伝えしてもよろしいでしょうか」
「そうね、いきなり言われても分からないわよね。あぁ、なら、そちらに任せてもいいかしら」
「王家主催ではなく、アドマンス家主催、という事ですか」
「えぇ、こちらでも色々と予定が立て込んでいるから、やってくれると嬉しいのだけれど。あぁ、会場はキュリストホールを使ってもらって構わないわ」
「分かりました、こちらに任せてください」
「その言葉を聞けて嬉しいわ」
王城の会場でのパーティーを私達が担当するの? あ、お母様はここの事よく知ってるけれど。じゃあ、後でお母様に色々と聞かなきゃ。
そんな時、ふとあの言葉を思い出した。【なかむら】でカリナとタクミと話した内容を。
スフェーンとセオリシア。今喧嘩中だって聞いた。こっちで鉢合わせをしたらどうなっちゃうんだろう。大変な事に発展しないといいんだけどなぁ。
でも、ここはカーネリアンだから騒ぎを起こす事はないよね、うん。
ではまた、と私達は部屋を退出した。
「終わりましたか」
「え?」
部屋のドアの所に待っていたのかお兄様が立っていた。私達が入ってから仕事に戻ったと思っていたんだけれど、違ったみたい。副団長さんなのに大丈夫なの?
「あらあら~、待っててくれたのね♪」
「それが普通でしょ」
「ふ~ん」
お母様、顔がニヤけてませんか? 気持ちは分からなくはないけれど。
最近、お父様とお兄様は屋敷に帰ってきてない。それだけ大変だって事だよね。頑張ってください、お父様、お兄様!