目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
◇80 新しい仲間登場!
今日はお休み! とお母様に言われてしまい、何をしようかと思った時には部屋に置かれていたあのグラスが目に入った。あのパフェのグラスだ。
そういえばこれ直接私が返しに行かなきゃいけなかったよね。私も中々お店に行けなくて残念だったし、今日行ってみようかな。
お母様に許可を頂き、絶対に無理をしない事を約束させられ許可を頂けた。
「もう完治したのに」
「お嬢様、お身体が弱いのですから労わってくださいね」
「はぁ~い」
マリアもお母様も過保護すぎ。本当は郵便事業の方を進めたかったのに。
と言っても、お母様とナジアンス侯爵様が案をまとめてくださっていたみたいで今日帰ってからお願いしてお母様から頂きたいと思います。そう、渡してくれなかったのだ。まとめた書類を。意地悪なお母様。
お店が営業終了する時間帯を狙い、お店に入ってみた。け、ど……
「こんにち、は……?」
お店に入った瞬間に見た光景。何故か知らない人が【なかむら】の制服を着ていたのだ。
「わ~! アヤメちゃ~ん!」
「あ、こんにちは」
あの男の人、誰だろう。皆さんと同じような歳みたいだけ、どぉ!?
いきなり厨房からとある方が出て来たかと思ったら、怖ぁい顔をしながら私の腕を掴んできた。え、グラスを返しに来るの遅れちゃった?
ヤバイ謝らなきゃ、そう思っていたのに引っ張られてまたまたこの店のスタッフルーム? に連行されてしまったのだ。
「あの、タクミさ……!?」
ぎゅぅぅぅぅぅ、と力いっぱいに抱き締められてしまった。まぁ痛くはないけれど。……あの、何か言って下さいませんか。黙っちゃって何も言わないんですけど。
「おーい」
「……」
「お疲れですか?」
「……」
「お疲れ様、タクミ」
「……ん」
きっと今日も大変だったんだろうな。使用人の方々が、【なかむら】に行列ができている所を見たって話を何度も聞いたもん。毎日お疲れさまでした。
「マジで気が気じゃなかった」
「え?」
「炊飯器とかフラワーメールとか、サミット後で忙しそうだったろ。お前頑張りすぎるから体調崩さないか心配だった」
「……元気だったよ!」
「今の間は」
「いやいや、本当にそうだって」
「ほんとかよ。浮気もしやがって」
「え”!?」
え、浮気なんてしてませんよぉ!?
「酢豚」
「あ”」
「あのジジイ、アヤメんとこに居座りやがって。どうせ朝昼晩全部あのジジイが作ってんだろ」
「……」
「おやつもか?」
「……」
……面目ございません。ごめんなさい、毎日美味しいご飯を頂いていました。昨日のお好み焼きも美味しかったです。
「……いや、でもタクミの料理も美味しいよ!」
「も?」
「うぅ……あ、愛情! そう、愛情たっぷりだからタクミの料理とっても美味しいよ!」
「……マジでお前ひでぇな」
「え?」
そんな酷い事したかしら、と聞きたかったんだけどキスをされてしまって。久しぶりのタクミだったから顔が固まってしまった。やるなら一言言って!
ほら早く戻ろ!! と彼の腕を引っ張って店内に戻った。
「充電完了?」
「え”」
何てこと言ってるの! ナオさん! ナナミちゃんも何ニヤニヤしてるの!
「も~遅いっ!」
「あはは、ごめんね」
これも全部タクミが悪いんです。黙ってこっちに連れてくから皆困っちゃったじゃん。まぁお疲れみたいだったから別にいいけど。
いつものように席に座ると、マリア達も向かい側に座った。さてさて、今日は何を食べようかしら。やぁっと来れるようになったから、とっても楽しみにしてたんだよね。
「実はね、アヤメちゃん。新しい人入ったの」
そう言ってナオさんが連れてきたのは、さっき見かけた知らない男性。
「初めまして、ご令嬢。と言っても、実は以前にも会った事ありますよね」
「……あっ!?」
そうだ、この人! サミットの時王城の厨房にいた! コック服着てたから、あそこの料理人さん!
「王城料理人からこちらに転職しました、サンスと申します」
わぁ、こっち来ちゃったの!?
ナナミちゃんによると、サンスさんはもう既にここに何度も通っていたみたい。あのサミットの時の料理勝負? の時もう勝敗分かってたのかな。それで今回、そこを辞めてこっちに修行に入れてもらったらしい。
タクミに弟子にしてほしいと何回も何回も頼み込んで。弟子なんて取らないと言っていたけれど仕方なく、だったらしい。
「しつこ過ぎだったから仕方なくだよ」
「本当にありがとうございます、師匠」
「煩い、そんなんで呼ぶな」
「あはは……」
まさか弟子が出来ていたとは。でも今はお箸の練習中らしい。お箸を使いこなせないやつは厨房に入るな、と言われてしまい猛特訓しているみたい。
「でも人手が増えてこっちは楽だけどね~。しかも力持ちだし」
「お役に立てているようで嬉しいです。僕に出来る事があれば何でも言って下さい」
「ほら! もういい子でしょ!」
うん、確かにいい子そう。でも私絶対この人より年下だから言わないけど。
新しい従業員さんかぁ~。仲良くなれたらいいな。
「んで? 何食いたい」
「ん~」
「ジジイが作ったやつ以外な」
「あははっ」
「んだよ」
「うわ~だいぶ嫉妬しちゃってるじゃんあの人」
「ほんと、私達に八つ当たりしないでほしいよね~」
「ね~、男の嫉妬程醜いものはないよね~」
「おい、聞こえてんぞ」
「あらやだこの人地獄耳だったわ」
「こりゃ失敬」
あはは、仲が良さそうで何よりです。皆さん元気そうで良かった。
「はいっ! ムニエルが食べたいですっ!」
「おっけ、待ってな」
「はーい!」
言わずもがな、とっても美味しいムニエルでとっても幸せな時間を過ごすことが出来ました。超絶美味。今度も同じもの頼もうかな、ってくらいね。
そういえばこれ直接私が返しに行かなきゃいけなかったよね。私も中々お店に行けなくて残念だったし、今日行ってみようかな。
お母様に許可を頂き、絶対に無理をしない事を約束させられ許可を頂けた。
「もう完治したのに」
「お嬢様、お身体が弱いのですから労わってくださいね」
「はぁ~い」
マリアもお母様も過保護すぎ。本当は郵便事業の方を進めたかったのに。
と言っても、お母様とナジアンス侯爵様が案をまとめてくださっていたみたいで今日帰ってからお願いしてお母様から頂きたいと思います。そう、渡してくれなかったのだ。まとめた書類を。意地悪なお母様。
お店が営業終了する時間帯を狙い、お店に入ってみた。け、ど……
「こんにち、は……?」
お店に入った瞬間に見た光景。何故か知らない人が【なかむら】の制服を着ていたのだ。
「わ~! アヤメちゃ~ん!」
「あ、こんにちは」
あの男の人、誰だろう。皆さんと同じような歳みたいだけ、どぉ!?
いきなり厨房からとある方が出て来たかと思ったら、怖ぁい顔をしながら私の腕を掴んできた。え、グラスを返しに来るの遅れちゃった?
ヤバイ謝らなきゃ、そう思っていたのに引っ張られてまたまたこの店のスタッフルーム? に連行されてしまったのだ。
「あの、タクミさ……!?」
ぎゅぅぅぅぅぅ、と力いっぱいに抱き締められてしまった。まぁ痛くはないけれど。……あの、何か言って下さいませんか。黙っちゃって何も言わないんですけど。
「おーい」
「……」
「お疲れですか?」
「……」
「お疲れ様、タクミ」
「……ん」
きっと今日も大変だったんだろうな。使用人の方々が、【なかむら】に行列ができている所を見たって話を何度も聞いたもん。毎日お疲れさまでした。
「マジで気が気じゃなかった」
「え?」
「炊飯器とかフラワーメールとか、サミット後で忙しそうだったろ。お前頑張りすぎるから体調崩さないか心配だった」
「……元気だったよ!」
「今の間は」
「いやいや、本当にそうだって」
「ほんとかよ。浮気もしやがって」
「え”!?」
え、浮気なんてしてませんよぉ!?
「酢豚」
「あ”」
「あのジジイ、アヤメんとこに居座りやがって。どうせ朝昼晩全部あのジジイが作ってんだろ」
「……」
「おやつもか?」
「……」
……面目ございません。ごめんなさい、毎日美味しいご飯を頂いていました。昨日のお好み焼きも美味しかったです。
「……いや、でもタクミの料理も美味しいよ!」
「も?」
「うぅ……あ、愛情! そう、愛情たっぷりだからタクミの料理とっても美味しいよ!」
「……マジでお前ひでぇな」
「え?」
そんな酷い事したかしら、と聞きたかったんだけどキスをされてしまって。久しぶりのタクミだったから顔が固まってしまった。やるなら一言言って!
ほら早く戻ろ!! と彼の腕を引っ張って店内に戻った。
「充電完了?」
「え”」
何てこと言ってるの! ナオさん! ナナミちゃんも何ニヤニヤしてるの!
「も~遅いっ!」
「あはは、ごめんね」
これも全部タクミが悪いんです。黙ってこっちに連れてくから皆困っちゃったじゃん。まぁお疲れみたいだったから別にいいけど。
いつものように席に座ると、マリア達も向かい側に座った。さてさて、今日は何を食べようかしら。やぁっと来れるようになったから、とっても楽しみにしてたんだよね。
「実はね、アヤメちゃん。新しい人入ったの」
そう言ってナオさんが連れてきたのは、さっき見かけた知らない男性。
「初めまして、ご令嬢。と言っても、実は以前にも会った事ありますよね」
「……あっ!?」
そうだ、この人! サミットの時王城の厨房にいた! コック服着てたから、あそこの料理人さん!
「王城料理人からこちらに転職しました、サンスと申します」
わぁ、こっち来ちゃったの!?
ナナミちゃんによると、サンスさんはもう既にここに何度も通っていたみたい。あのサミットの時の料理勝負? の時もう勝敗分かってたのかな。それで今回、そこを辞めてこっちに修行に入れてもらったらしい。
タクミに弟子にしてほしいと何回も何回も頼み込んで。弟子なんて取らないと言っていたけれど仕方なく、だったらしい。
「しつこ過ぎだったから仕方なくだよ」
「本当にありがとうございます、師匠」
「煩い、そんなんで呼ぶな」
「あはは……」
まさか弟子が出来ていたとは。でも今はお箸の練習中らしい。お箸を使いこなせないやつは厨房に入るな、と言われてしまい猛特訓しているみたい。
「でも人手が増えてこっちは楽だけどね~。しかも力持ちだし」
「お役に立てているようで嬉しいです。僕に出来る事があれば何でも言って下さい」
「ほら! もういい子でしょ!」
うん、確かにいい子そう。でも私絶対この人より年下だから言わないけど。
新しい従業員さんかぁ~。仲良くなれたらいいな。
「んで? 何食いたい」
「ん~」
「ジジイが作ったやつ以外な」
「あははっ」
「んだよ」
「うわ~だいぶ嫉妬しちゃってるじゃんあの人」
「ほんと、私達に八つ当たりしないでほしいよね~」
「ね~、男の嫉妬程醜いものはないよね~」
「おい、聞こえてんぞ」
「あらやだこの人地獄耳だったわ」
「こりゃ失敬」
あはは、仲が良さそうで何よりです。皆さん元気そうで良かった。
「はいっ! ムニエルが食べたいですっ!」
「おっけ、待ってな」
「はーい!」
言わずもがな、とっても美味しいムニエルでとっても幸せな時間を過ごすことが出来ました。超絶美味。今度も同じもの頼もうかな、ってくらいね。