不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
 そのため、世界中のどの空港でもパイロットとATCは同じ基準でコミュニケーションをとることができ、それが国際的な飛行の安全を確保していた。

「ower, this is Flight 123 requesting permission to taxi to runway 12」

 会沢さんがATCに滑走路12へのタキシング許可を求めた。

『Flight 123, proceed to runway 12, hold short』

 インカムを通してATCから滑走路に進み、待機するよう指示が届いた。

 ゆっくりと滑走路を進み、指示通りに待機していることを伝える。次に着陸する航空機を待ってから、滑走路に整列して待機するよう指示が出た。そして……。

『Flight 123, runway 12, you are cleared for takeoff, wind 320 at 10』

 離陸許可とともに、風向き320、風速10ノットとの報告を受けた。離陸許可が下りると、より一層緊張感が増す。

「Cleared for takeoff, runway 12, Flight 123」

 会沢さんの離陸許可を受けたとの報告後、機内にも離陸の合図を送って離陸態勢に入る。

「Engines at full thrust, check. V1… Rotate」

 エンジン全開にすると、大きなエンジン音が轟く。そして機体は滑走路をスピードを上げて進んでいく。

 何度経験してもこの瞬間は空を飛ぶんだという高揚感と、多くの乗客を乗せて空に向かうという思いが交差する。
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