不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
 次便のために経路上の天候や揺れを報告したり、整備担当者に航空機の機体の状態を報告して終了となる。

「まずは一便、お疲れ」

「お疲れ様でした」

 飛行機から降りて会沢さんと到着ゲートへと向かう。

「さて、約束通りソーキそばを食いに行くぞ」

 意気揚々と話す会沢さんには申し訳ないが、大場から事情を聞くことを優先したい。

「すみません、会沢さん。ソーキそばは次回でもいいですか?」

「えっ! どうしてだよ、さっきフライト前に約束したばかりじゃないか」

 残念がる会沢さんは諦めきれないようで、「俺との約束より優先したいことはなんだ!?」と少し面倒なことを言いだした。

 だが、会沢さんにはなにかと桜花の話を聞いてもらっていて、大場とも顔見知りだ。事情を説明したら納得してくれるだろう。

 そう思って事の経緯を説明しようとした時。

「お疲れ様です」

 俺たちを待ち構えていた大場が駆け寄ってきた。

「お疲れ。どうしたんだ、大場」

 会沢さんが聞くと、大場はチラッと意味ありげに俺を見た。

「上杉さんとこの前約束した通り、お食事に行こうかなと思って待っていたんです」

「え、俺と?」
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