不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
「そういえばお前たちが着物の話で盛り上がっていたから、俺も興味沸いちゃってさ。奥さんに着せてやりたくなって、今度食事でもしながら詳しく聞かせてくれっていった話か?」

 そう言うとすかさず大場が首を縦に振った。

「そうです、その話です! やっぱり約束しましたよね?」

 大場はそう言うが、会沢さんはみんなで食事をしながらという意味で言ったと思い、俺はそれに了承をしただけだ。

「それは会沢さんも含めてみんなでという意味で、決して大場とふたりで食事に行こうと約束したわけではない。そうですよね? 会沢さん」

「あ、あぁ。そうだな。俺がふたりを誘ったかたちになったわけだし」

「そんな……」

 ショックを受ける大場には申し訳ないが、彼女にはもうひとつ聞きたことがある。

「大場、もしかして同じ話を桜花にもしたのか?」

 俺の問いかけに彼女の肩が跳ねた。

「え、大場と桜花ちゃんって知り合いだったのか?」

 びっくりする会沢さんに聞かれ、大場は俯いて固く口を閉ざした。

 ここではゆっくり話ができないと思い、会沢さんに「大場に聞きたいことがあるので先に行っていてください」と言ったものの、彼は頷かなかった。

「ふたりっきりで話をしたら、いらぬ噂を流される可能性もある。それに第三者が介入したほうがいいだろう。よし、まずはソーキそばを食いに行くぞ」

 そう言うと大場に逃げられないよう、会沢さんは俺と彼女の腕を掴んだ。
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