不本意ですが、天才パイロットから求婚されています～お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました～【極甘婚シリーズ】

　まるで嵐が去った後のようで、茫然となる。

「なんというか、その……丸く収まってよかった、のか？」

　疑問形で言う会沢さんに苦笑いしてしまう。

「だけどあの様子ならもう関わってくることはなさそうですし、よかったです。同席いただき、ありがとうございました」

「あぁ、あれは同席して正解だったな。まさか大場があそこまで妄想が激しい子だとは夢にも思わなかった。万が一になにかあったら困るから一応、この件は上に俺のほうから報告しておく」

「すみません、ありがとうございます」

　俺たちのやり取りを見て完成しても料理を運べずにいた店員が、「お待たせしました」と言ってソーキそばを三つ運んできた。

「さて、腹も減って死にそうな俺がふたつ食うとしよう」

　そう言ってさっそく割り箸を割って会沢さんはそばをすする。

「やっぱり美味いな。ほら、上杉も早く食え。食い終わったらタルトを買いに行くぞ」

「はい、わかりました」

　本当にこの場に会沢さんに同席してもらってよかった。

　俺も食べ始めると、会沢さんが口を開いた。

「それにしても上杉があんなに静かに怒っているところ、初めて見たよ。大場が桜花ちゃんによっぽどのことをしたのか？」