不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
 東京に戻ってきたのは、十七時半過ぎ。そこからすべての仕事を終えて空港を出る頃には十九時近くになっていた。

 この時間なら桜花も仕事が終わって家にいるはず。

 念のために栄臣に電話をかけて確認したところ、桜花は帰宅済みで今は雪乃さんとふたりで夕食の準備をしているという。

 それと昨日の桜花の様子も聞いた。一昨日の夜は一歩も部屋から出てこなかったそう。心配した雪乃さんが桜花に話しを聞いたところ、やっと部屋から出てきて午後には仕事にも行ったとのこと。

 雪乃さんが桜花とどんな話をしたのかは、栄臣には「女同士の秘密」だと言って教えてくれなかったらしいが、今日にはすっかりといつもの桜花に戻っていると聞いて安心した。

 栄臣に今から会いに行って誤解を解きたいと申したところ、最初は渋られたが桜花が泣く姿はもう見たくないと言って許可してくれた。

 桜花には俺が行くことは秘密にしてもらった。そうでないと一昨日の様子だと逃げられかねない。

 到着後、玄関前で乱れた呼吸を整える。そしてインターホンを押すとすぐに栄臣が出てドアを開けてくれた。
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