不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
 緊張しないほうがおかしい。それなのに私の話を聞いて大翔は嬉しそうに微笑む。

「俺も」

「嘘だ。全然緊張しているようには見えないけど」

 余裕たっぷりで悔しくなるほどなのに。

「嘘じゃないさ、その証拠にほら」

 彼は私の手を自分の心臓に当てがう。すると手のひらを通して伝わってきたのは、私と同じくらい早い胸の鼓動だった。

 信じられなくて胸元と彼を交互に見てしまう。

「これで信じてくれた?」

「……うん」

 実際に触れたら信じるしかない。だけど、そっか。大翔も緊張していたんだ。

 同じなんだと知って嬉しくて頬が緩む。

「なぁ、もう一回してもいい?」

「……えっ!」

 まさかのもう一回に大きな声が出てしまった。さすがにこれ以上は無理! と言うより先に再び唇を奪われた。

「んっ……あっ」

 さっきの触れるだけのキスとは違い、強引に私の唇を割って彼の舌が入ってきた。ぬるっとした感触に身体がぞわっとなる。

 それは決して嫌悪感を抱くものではなく、むしろもっと……と求めてしまいたくなるような初めての感触だった。

「んんっ」
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