不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
「それでも嫌なんです」
やり取りを見るに、ふたりの仲はだいぶ良さげ。それにこんな大翔は初めて見たから新鮮だ。
もっと軽快なふたりのやり取りを見ていたいところだが、大翔の上司に当たる会沢さんに私としてもちゃんとご挨拶をしたい。
それを伝えると大翔は渋い顔をしながらも私を紹介してくれた。
「会沢さん、すごくユーモアがあって素敵な人だったね」
「そうか? まぁ……俺もパイロットとしては尊敬しているけど」
あれから私たちは一度ホテルに荷物を置いて、街へと出かけた。ちょうど夕陽が沈む頃でどうしても見たかったビッグ・ベンへと向かった。
沈む夕陽とビッグ・ベンは幻想的で息を呑む美しさだった。陸橋の上で眺めながら、ふと会沢さんの話題を出すと大翔は眉根を寄せた。
「もう会沢さんの話は終わり。……せっかく桜花の記憶が戻ったんだ。懐かしい話をしよう」
「いいね」
それから私たちは手を繋いでロンドンの街を散策した。その道中、私が思い出した記憶の答え合わせをしていく。
「私、ずっとお兄ちゃんが和田屋でわらび餅にかかった黒蜜をこぼしたと思っていたけど、あれは大翔だったんだね」
「それは思い出してほしくない記憶だったな」
「ふふ、だから上杉のおじさまはあの時私がハンカチを返してくれたのかな」
すると大翔は「ちょっと待ってくれ」と焦り出した。
「まさかじいさん、俺の部屋から勝手にあのハンカチを持っていったのか?」
「勝手にってことは、大翔はしらなかったの?」
やり取りを見るに、ふたりの仲はだいぶ良さげ。それにこんな大翔は初めて見たから新鮮だ。
もっと軽快なふたりのやり取りを見ていたいところだが、大翔の上司に当たる会沢さんに私としてもちゃんとご挨拶をしたい。
それを伝えると大翔は渋い顔をしながらも私を紹介してくれた。
「会沢さん、すごくユーモアがあって素敵な人だったね」
「そうか? まぁ……俺もパイロットとしては尊敬しているけど」
あれから私たちは一度ホテルに荷物を置いて、街へと出かけた。ちょうど夕陽が沈む頃でどうしても見たかったビッグ・ベンへと向かった。
沈む夕陽とビッグ・ベンは幻想的で息を呑む美しさだった。陸橋の上で眺めながら、ふと会沢さんの話題を出すと大翔は眉根を寄せた。
「もう会沢さんの話は終わり。……せっかく桜花の記憶が戻ったんだ。懐かしい話をしよう」
「いいね」
それから私たちは手を繋いでロンドンの街を散策した。その道中、私が思い出した記憶の答え合わせをしていく。
「私、ずっとお兄ちゃんが和田屋でわらび餅にかかった黒蜜をこぼしたと思っていたけど、あれは大翔だったんだね」
「それは思い出してほしくない記憶だったな」
「ふふ、だから上杉のおじさまはあの時私がハンカチを返してくれたのかな」
すると大翔は「ちょっと待ってくれ」と焦り出した。
「まさかじいさん、俺の部屋から勝手にあのハンカチを持っていったのか?」
「勝手にってことは、大翔はしらなかったの?」