不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
 愛おしそうに私を見つめる彼の瞳に胸が震える。

 初めてで緊張するけれど、それ以上に大翔に触れてほしくてたまらない。

「大翔」

 名前を呼びながら腕を伸ばして彼の首に回す。大翔が近づいてくるスピードに合わせて瞼を閉じた。

 触れるだけのキスを何度もされ、その度に胸がきゅんとなる。だけど次第に物足りなさを感じたのを察したのか、大翔は「フフ」と笑みを零した。

 すぐに彼の舌が口の中に入ってきて、私の舌を搦めとる。きつく吸ったり、コロコロと舐められたりされて甘く痺れるほどに。

 どれくらいの時間、キスを交わしていただろうか。いつの間にか大翔の手が私の服を捲って腹部に大きな手が直に触れた。

「ひゃっ」

 思わず悲鳴にも似た声を上げれば、大翔は「可愛い」と言って首に顔を埋める。

 熱い舌が首筋を這っていき、大きな手は下着越しに胸に触れ、甘い声が漏れてしまう。

「やっ……。恥ずかしい」

 自分の声とは思えなくて羞恥心でいっぱいになり、手で顔を覆った。

「どうして? 俺は嬉しいよ。ちゃんと気持ち良くなってくれている証拠だろ? それにこれだけで恥ずかしいって思われたら困る。……もっと桜花が恥ずかしいことをするんだから」

 宣言通り大翔は優しく私の身体を撫で、そして解すように身体中を彼の熱い舌が這う。

 お互いに一糸纏わぬ姿で抱き合い、身体の隅々まで見られて恥ずかしくてどうしようもなくて、泣きそうになってしまった。

 息も途切れ途切れになりながら、不安を口にした。
< 211 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop