不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
「久しぶり、桜花」
「……うん、久しぶり」
大翔と会うのは十日ぶり。出店の話があるから、ちょっぴり気まずさを感じてしまう。それをすぐに察知したようで、大翔は私の隣に腰を下ろした。
「どうかしたのか?」
「あ、ううん。なんでもないよ」
とは言うものの、なにかあるとバレバレなようで彼は顔をしかめる。
「いや、なにかあった顔だろ。どうしたんだ?」
心配してきた彼に、いよいよなんて答えたらいいのかわからなくなる中、兄が声を上げた。
「桜花はどうやって大翔を驚かせようかと迷っているんじゃないか?」
「どういうことだ?」
聞き返した大翔に対し、兄は意気揚々を続ける。
「それは俺の口からは言えないさ。さぁ、桜花。話してやれ」
兄なりにロンドン出店の話がきているというおめでたい話を打ち明けるよう、ナイスなアシストをしたと思っているだろうけれど実際は違う。
こんなかたちで伝えるつもりはなかったし、もっと考えてから言いたかったのに。
すると雪乃さんが兄の肩を強く叩いた。
「痛っ! 急にどうした雪乃」
「栄臣は黙ってて」
雪乃さんが厳しい口調で言うと、すかさずママの真似をした幸助が「めっ!」と言って兄の足を叩いた。
「幸助まで……」
意気消沈する兄を無視して、雪乃さんは私を見つめる。
「……うん、久しぶり」
大翔と会うのは十日ぶり。出店の話があるから、ちょっぴり気まずさを感じてしまう。それをすぐに察知したようで、大翔は私の隣に腰を下ろした。
「どうかしたのか?」
「あ、ううん。なんでもないよ」
とは言うものの、なにかあるとバレバレなようで彼は顔をしかめる。
「いや、なにかあった顔だろ。どうしたんだ?」
心配してきた彼に、いよいよなんて答えたらいいのかわからなくなる中、兄が声を上げた。
「桜花はどうやって大翔を驚かせようかと迷っているんじゃないか?」
「どういうことだ?」
聞き返した大翔に対し、兄は意気揚々を続ける。
「それは俺の口からは言えないさ。さぁ、桜花。話してやれ」
兄なりにロンドン出店の話がきているというおめでたい話を打ち明けるよう、ナイスなアシストをしたと思っているだろうけれど実際は違う。
こんなかたちで伝えるつもりはなかったし、もっと考えてから言いたかったのに。
すると雪乃さんが兄の肩を強く叩いた。
「痛っ! 急にどうした雪乃」
「栄臣は黙ってて」
雪乃さんが厳しい口調で言うと、すかさずママの真似をした幸助が「めっ!」と言って兄の足を叩いた。
「幸助まで……」
意気消沈する兄を無視して、雪乃さんは私を見つめる。