不本意ですが、天才パイロットから求婚されています~お見合いしたら容赦ない溺愛に包まれました~【極甘婚シリーズ】
『ご清聴いただき、ありがとうございます。ヒースロー空港まで快適な空の旅になるよう、安全に皆様をお送りいたしますのでどうぞよろしくお願いいたします。ご登場いただき、誠にありがとうございます』

 機内アナウンスが終わってからも、機内はしばらく騒々しかった。


 約十五時間のフライトを終えて着いたヒースロー空港の到着ロビーで、私は大翔を待っていた。

 そういえば初めて飛行機に乗った時、記憶が戻ってこうしてここで大翔のことを待っていたよね。それがつい最近のことのよう。あれからもう七年近くになるんだ。

 あの時、彼が着用していた制服のラインは三本だったけれど、機長になった今は四本入っている。その制服を着用した彼が出てきた。

「大翔!」

 私の声に気づいた彼は一緒にいた副操縦士に声をかけ、駆け寄ってきた。私も急いで彼の元へ向かう。

「機長としての初めてのフライト、お疲れ様」

「ありがとう」

 そう言うと大翔は帽子を脱ぎ、急に跪いた。
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